まったり巡行

自転車もカレーも投資も、まったり、ゆったり。

【まったり自転車】懐かし寂しライド <乗り日:22017年11月25日(土)>

西神中央までプチ輪行。同地にある実家に寄ってから、今回のライドスタート。

 

まず、神戸電鉄(通称「神鉄」)粟生線押部谷駅方面に向かう。かつて通った小学校と中学校がこの近辺にある。当時、私の実家は神鉄沿線にあったのだ。実家が西神中央に引っ越して以降縁遠くなり、車で近辺を通りすぎたことはあるが、まともに再訪するのは何年ぶりだろう。

 

さて、噂にはきいていたが、久々の押部谷はひどい寂れっぷりだった。神鉄の主要駅でありながら駅周辺は全く開発が進まず、今に至っている。私が中学校に通っていたころからさびれ始めている感があったが、いまではひどいもんだ。まともなスーパーすらないんじゃないか?高度経済成長期(後期)に山を切り開いた、神戸郊外ニュータウンの走りといえる住宅街・団地街であり、今でもそれなりに人口はあるはずだが・・。

 

▼ 「押部谷行き」の電車もある粟生線の主要駅なのだが、駅前なにもなし。

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駅は農村地帯とニュータウンの境目にあり、前者はやたらと歴史が古く(地元小学校なんて、私の在学中に100周年を迎えていた)、土地所有の問題やなにかでうまく町のコア=駅前が開発できなかったのかも。これほど寂れると打つ手なしだな。

 

押部谷を後にして、神鉄と並走する県道22号を西へ、下り方向に進む。方向としては「下り」だが、実際にはゆるい上り坂。ぐいぐいペダルを踏みつつ、となりの緑ヶ丘駅に到着。この緑ヶ丘こそが、かつての実家の最寄り駅であった。当時の私の住所は神戸市内(押部谷と同じく、やはり神戸のベッドタウンとして開発されたエリアだ)。しかし徒歩10分とかからない緑ヶ丘駅は三木市なのだ。まさに市境の町。

 

三木市とはいえ、神戸市内の押部谷よりも、緑ヶ丘のほうが当時から栄えていた。いわば神戸の西はずれエリアを含めた、このあたりの中心地だった。

 

▼駅も寂れている感がありあり。今では無人管理駅だ。

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▼駅前ロータリー遠景。白い建物のヤマハ音楽教室に子供の頃、通ってたっけ。f:id:coregore:20171203113951j:plain

 

なつかしい思いで、緑ヶ丘の町を走行。駅から坂を下ったあたりに商店街が広がり、中心地に神戸コープがある。かつては土曜日ともなれば、人でにぎわっていたのだが・・人影まばら・・というか、ほとんど人歩いてないやん。なつかしさは一瞬で寂しさに変わる。

ニュータウンは住人の年齢層が似ているため、一気に老いる、寂れる」と、住宅関連の本で読んだことがあるが、それがモロにでてしまっているようだ。

 

さて、腹も減ったので適当に昼飯食うか。覇気のなくなった商店街には珍しく、おしゃれな外観の洋食屋を発見。入ってみると、店内だけ別世界のように、人の賑わいがあった。地域の人気店なのだろう。例によってカレーを注文。(→ 詳細はカレーカテゴリの記事として別途記載)。

 

エネルギーの補給を終えて、緑ヶ丘の町中を走り、そして広野ゴルフ場駅近辺の坂を上り、再び県道22号に出る。そして志染を経て、西へ、西へ。その先の三木市に向かう。

 

三木市美嚢川沿いに広がる谷底の町だ。坂をビュンと急降下して、中心街に至る。

 

古い町だ。歴史的にはなんといっても、三木城の籠城戦が有名。別所長治の首塚がある丘を自転車で登ってみる。斜度9.5%となかなかの坂だ。市役所がそびえる丘の頂上までノンストップで登り、そして坂の途中の首塚まで引き返してきた。

 

▼  別所長治と正室照子が祀られている。台上に寄り添う二つの杯。

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三木の町中をグルグルと走ってみたが、やはり寂れている。営業しているのかどうか判然としない店も多い。市の中心は、大型スーパーや量販店のならぶ、町はずれのロードサイド街に移動してしまっているようだ。

 

さて、本日のポタライドは元々三木を目的地としていたが、まだ日は高いし、足はまだまだ元気。そこで予定変更、さらに西方向を目指すことにした。量販店街にあるイオン三木店を境に、道は二股分岐している。ちょっと迷ったが、全く馴染みのない、県道360号線を進むことにした。途中から路側帯がしっかりした道になり、走りやすい。見晴らしの良い田舎の一本道を気持ちよく走行。

 

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さて、この県道360号線は加古川にぶつかったところで消滅する。橋を渡ったところで、加古川沿いの県道84号線と、加古川市の中心部への向かう県道18号線がある。さて、どちらに進むか。まず、県道84号線に乗ってみたが、道幅狭く、路肩ほとんどなし。おまけにトラック、ダンプカーがひっきりなしに通る。クラクションも鳴らされた。危険をかんじたので、引き返す。

 

そして18号線の様子を見たが、こちらも似たり寄ったりの道路状況。さて困った。一旦渡った橋を戻る。すると18号線の逆方向には、歩道がある。ゆるゆる歩道走りに切り替えて、北上する。

 

しばし進んだあたりで、Googleマップで確認すると、なんだ、もう小野近くじゃないか。神鉄小野駅をゴールにしようと、気持ちを切り替える。

道幅狭く、歩道はとぎれとぎれ。難儀しつつも小野駅に到着!

 

神鉄粟生線では群を抜いて立派な小野駅

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駅ビルがあることからもわかる通り、小野駅神鉄粟生線の主要駅だ(終着駅の粟生駅は他線との接続だけが目的の駅のため、事実上のターミナル駅といえる)。駅付近からアーケード商店街も伸びている。しかし、商店街はやはり寂れ気味。もともとはここが小野市の中心だったんだろうけど・・。

 

一休みできる場所を探して小野の町をユルユルと走る。ここも三木市と同じく、街はずれに量販店やスーパーが立ち並んでいる。それぞれ、駐車場が広く取られている。車の利用者が増えてしまい、商店街が寂れ、神鉄の利用者も減ってしまったんだろうな。

 

最後にイオン小野店にたどり着き、ミスドで一休み。ドーナツ2個、お代わり自由のブレンドコーヒーが疲れをいやしてくれる。

 

今回のライドは、昔の親しんだ町をめぐるということで「懐かし楽し」ライドになるかと思っていた。しかし実際に再訪してみると、程度の差はあれ、どの町も衰退傾向。「懐かし寂し」ライドになってしまった。

 

普段、神戸の町中に住み、大阪の中心街に勤めていると、人口減少が実感として感じられないのだが、こうして郊外を走ると、いやおうなしに目のあたりとすることになる。そういう意味では、今回はとても印象的なポタライドとなった。