神戸市の人口の大多数を擁する沿岸都市部と、山にかこまれた神戸市の北部エリア=北区を結ぶ道路は、本当に数少ない。
自動車専用道路や、大回りのルートを除けば、鵯(ひよどり)ICからの県道16号と、国道428号 ~地元では「有馬街道」といったほうが通りが良い~ の2つしか選択肢がない。
このたび、自宅(神戸市須磨区)から、北区の交通の要衝である谷上まで往復し、往路はひよどり台の坂経由での県道16号、復路は有馬街道を走ってみた。ヘッポコ自転車乗りなりに感じた両道路の印象、あるいは注意点を記録しておこう。
▼ 有馬街道を走り終えた際に撮影。有馬街道の海側出口、山麓線との交差点(平野交差点)にひっそりと碑があるよ。
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さて、三連休中日のこの日、カインズひよどり台店に出かけた。標高230m、斜度10%の坂の先にあるホームセンターへの買い出しは、いい運動になるので、ちょくちょく足を・・もとい車輪を運ぶ。
ただ、せっかくの連休だもの、今日はもうちょっと先まで行ってみたい気分になった。以前、鵯ICから先の県道16号 ~堅苦しいので、以後「イチロク」と呼ぶ~ に乗って、西鈴蘭台までは行ったことがあった。せっかくなので、今回はもう少し先の北鈴蘭台あたりまで行ってみっか。
そう考えて、イチロクを北上。交通量は多く、車道も狭め。バスも通るので、最初はやや走りにくい。状況に応じて、路肩のコンクリ部分をユルユル走行。西鈴が近づくにつれて、道路も広がり、交通量もこなれて、走りやすくなってくる。
さて、西鈴を通りすぎると、景色が徐々に山あいぽくなってくる。山間部を切り開いて作った宅地街ということが良くわかる。
そして、地味に坂が続く。下りも混じるが、おおむね登りだ。
▼ 北鈴の手前あたり。ダラダラと登りが続く。
そうなると頂上まで行ってみたくなる。北鈴の駅に向かって折れる道を過ぎているような気もするが、とりあえず先に進む。
▼ 坂の頂上と思しきあたり。泉橋というバス停がある。背後の風景は完全に山地だよね。
さて、頂上を過ぎると、広々とした下り坂が待っていた。つい、うれしくなり、そのまま坂を下ってしまう。ヒャッホー!
すると、もう箕谷が近い。しばらく平坦を走ると、また下り。ひゃあ、帰りは長々と登ることになりそうだな~。
▼ 箕谷近辺の交差点。まだ下るのか・・帰りがしんどそうだなあ。
箕谷~谷上は左右を山に挟まれた一本道だ。おおむね走りやすい。多少のアップダウンをこなし、谷上駅到着。
▼ 北神戸の交通要衝、谷上駅。六甲山を貫く北神急行があるため、電車に乗れば三ノ宮までは意外と近い。
まだまだ先に行きたい気分もあるが、キリがないので、谷上駅を本日の折り返し地点とすることにした。駅近のファミマでトイレ休憩、和式パワーゼリーを購入(←「ようかん」だろっ!)
さて、とりあえず、箕谷まで引き返す。でも、ここから先、あの泉橋の丘を登り返すのはいやだなあ。登るなら、せめて別ルートをためしてみたいなあ。
地図を見ると、神鉄箕谷駅の脇を通る道を進めば、有馬街道に合流することが判明。
有馬街道。
私の中で、この道の名は、恐れと慄きのヴェールにつつまれている。
以前ネット(Y!知恵袋など)で調べたところ、「危ない」「走りにくい印象しかない」「クラクションを鳴らされる」、果ては「死ぬぞ」という書き込みまで・・・
( ↑ いずれも言葉の断片のみのウロ覚え。あてにならない。)
でもまあ、危なそうなら引き返せばいいか。そう考え、有馬街道に向かう。
当然ながら、有馬街道もやっぱり登り。スピードが出ない。横では車がフルパワーで登っていくし、大型も時折通る。なのに、路側帯は不安定。たしかに、安全とはいえんな。
▼ 有馬街道の登りが始まる「大正坊」という交差点。
しかし、だ。歩道はあるんだ。
キケンは極力避けるべきだし、また、ドライバー諸氏に気を使ってよけてもらうのも本意ではない。
そこで、見栄えとこだわりを捨て(←「もともとそんなもん持ってないダロ」というもっともなツッコミはさておき)、歩道に乗ることにした。
これを「勇気ある歩道」という。ホンマかいな。
そもそも、こんな山の中の歩道、だれも歩いていない。せっかくの社会インフラ、遠慮せずに使うべきだろう。
頂上を過ぎれは、あとはおおむね下りが続く。ここからは車道に下りて、車の流れに乗ればよい。特に走りにくくはない。
快調に進んでいると、いきなり鬼門が現れた。地図見て気になっていた、結構長いトンネルだ。
▼ 手前で一旦停止。トンネル内走行に備え、リアライトの点滅を派手なものに変更。
トンネルに近付くと、おや、一応歩道があるね。車道で突っ込んでいくことも考えたが、初めての道なので、安全策をとって歩道を進むことにした。
トンネル内は暗く、歩道はえらく狭い。水が染み出て、その上ところどころでひび割れガッタン。ゆるい下りになっているので、ケンケン走り風に進むが、やっぱり怖い。
▼ トンネル内部の歩道(もちろん後方を十分確認し、立ち止まって撮影)。
ようやく出口が見えた時にはホッとした。
▼ 歩道のエンドはスロープになっていない。出口に到達して、油断したまま進むと危ないね。
出口にたたずみ「ひや~、有馬街道のトンネルは危ない、要注意」ブログでそう紹介しよう。そう思案していた私の脇を
ママチャリが車道に乗ってバシュッ!と通り抜けていった。ええっ!
おそらく、道路の勝手知ったるジモティ(地元の人)なのだろう。確かにトンネル内はユルい下り坂になっているので、それを活かして車の流れに乗る方がいいかもしれない(それにしても、ノーヘル、リアライトなしで・・怖くないのだろうか)。
さて、トンネルを抜けてからは、延々とクネクネ坂の下りが続く。
カーブが続くので、車もそれほど飛ばしてこない。そのため、重力に身を任せ、車の流れに乗るのが却って安全。
スイー、スイーとカーブをこなす。きもちいいー!有馬街道、楽しいーー!
そして坂が途切れたあたりに、バイパス入口との分岐路が現れる。
ここで注意。
分岐路の路側帯には、路面リフレクタ(反射板)が埋め込まれている。周囲のゴツイ風景のなか、全く目立たないので、危うく突っ込むところだった。こんなところでコケたら、危ない。
▼ 分岐路手前、路肩から右に進む際に注意!これ結構怖いヨ!!
そして、ここから、さらにクネクネ下りが再開する。
一旦下りのテンションが切れた後だったので、とりあえず路側帯をスローペースで走ろうとしたが、これが間違い。路側帯は狭い上に荒れており、路肩のコンクリ上にアスファルトが不規則凸凹にうねってキケンな段差を作っている。この段差にハンドルを取られそうになった。
暴れる前輪。強引に力で抑え込んでことなきを得たが、一瞬ひやっとしたね。
下りの有馬街道は、路肩はキケン。車道を走ったほうが安全。そんな気がした(※あくまで私個人の印象です)。
先述の、車道をママチャリで下っていったジモティも、そのことを知っているのだろう。
二度目のクネクネ下りはすぐに終わる。唐突に景色が開け、おなじみの山麓線、湊川のあたりにポンと出た(平野交差点)。下りが始まった北鈴から、神戸都心まで、ホントあっという間だったな。
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さて、結論。
有馬街道は、一部のネット上ので噂されるほど怖くもなく、走りにくくもなかった。
ただし、それは今回実走した谷上→湊川という区間での話であり、谷川より北にデンジャーゾーンが存在する可能性はある(機会があれば、有馬温泉まで神鉄で輪行して、走って帰ってきてもいいね。)
また、逆方向(湊川→谷上)に走る場合、あのクネクネ坂を延々登ることになる。弱脚メタボの私にはぞっとしないシチュエーションだ。また、件のトンネルもママチャリのジモティのように、傾斜を使って高速で走り切ることもできなかろう。かなりしんどく、危険度増大だろう。
(※後でネット上の情報を確認してみたが、有馬街道に関する恐怖なコメントの多くは、湊川→谷上方向への走行に関してのものであった。)
対するイチロクは、おおむね走りやすく、安全度はこちらのほうが上だ。ただ、海側の出口が、都心からやや外れた地点(出口は複数のルートがあるが、いずれも兵庫区・長田区のあたり)に出てしまうのがデメリットかな。
以上、私個人の感想です。
単なる素人レポなので、汎用的な信頼性はありません。
実走される際は、くれぐれもご自身の目で判断してくださいね~。
ぜひ、ご安全に!