お彼岸の季節。今年も墓参りに行くか。
一昨年はロードバイクで、お墓のある姫路まで往復した。昨年は折りたたみ自転車の輪行で赴いた。今年はどうしよう。
そうだ、前から気になっていた姫路独自のシェア自転車「姫ちゃり」を使おう。
サイクリンググローブにカスク、そして線香や蝋燭の墓参りグッズをバックパックに入れて、手ぶらで鉄道に乗り込む。この手軽さがシェア自転車の魅力だ。
午前10時過ぎにJR姫路駅到着。駅舎を出て、早速に「姫チャリ」のポートに向かう。
「ま、ドコモバイク(赤チャリ)やハローサイクリング等の大手と大差なかろう」と高を括り、ロクに予習してこなかった私は、ポートでいきなり混乱に直面した。
なに!? シェア自転車なのに、スマホがいらないだと!!
慌てて、現場に置いてあったチラシで貸出への流れ詳細を確認。
どうやら姫チャリは、ポート横にある自販機のような機械で貸出手続きを行う仕組みらしい。
とりあえず、チラシを参照しながら、機械をタッチパネル操作する。
初めての人用のメニューボタンがあり、そちらから「借りる」に進み、料金プランを選ぶ(スポットで利用する場合は「1日」プランでOK)。
次に、ユーザー認証としてパスワード、もしくはICカード登録を選ぶメニューが出てきた。簡単そうなパスワード方式を選択。
次に、決済方法(現金/クレジットカード)の選択を迫られる。クレカを選び、カードを機械のスロットに入れる。さらにTEL番号の入力も求められる。
それら一連の手続きが終了すると、8ケタのパスワードが印字されたレシート用紙が出てきた。
このパスワードを使えば、本日何度でも貸出、返却ができるようだ。紙はなくさないように、スマホケースのポケットに保管。
そしてユニークなのが料金体系。
まず基本料金として100円。これで1時間乗れる。その後は継続して借り続けると、追加料金が30分ごとに100円加算という仕組み。
しかし、1時間以内でいったん返却し、その後も1時間以内で貸出→返却を繰り返せば、どれだけ利用しようとも料金は最初の100円で済むという。
うまく使えば、格安で姫路観光ができそうだ。ゲーム性のある面白い試みだ。
とはいえ、姫チャリは中心街とその付近の観光拠点にしかポートがない。「今日は街はずれも走るし、借りっぱなしでいいや」と考え、ポートから出発する。
しかし、どうも自転車の調子がイマイチ。しばらく進み、別のポートにたどり着いたところで、早速返却、借りなおしw
その後もチェンジを繰り返し、3台目にようやく満足のいく個体をゲットすることができた。ようやく墓参りポタリングスタート。
ポタの途中、お昼時にカレーを食べていると、スマホにショートメッセージが届いた。
なんだろうとスマホを見ると、姫チャリからの「追加料金が発生しております」という警告?メッセージであった。
え? そんなに追加料金取りたくないの!?
クレカ払いなので取りっぱぐれはないわけだし、どんどん追加料金で使わせとけばいいのに。なんという バカ正直 良心的なシェア自転車なんだ、姫チャリは。
さて、さらに車輪をすすめ、とある神社で一息ついていると、見知らぬ番号からスマホに電話がかかってきた。
とりあえず出てみると「姫チャリ運営事務局です。追加料金が発生しているのでご連絡しました」とのこと。
ええっ!? なんでそこまで・・別にええやん、数百円の話やし。
しかし、そこで気が付いた。姫チャリは自転車に通信端末がついていないので、ヘンなところで乗り捨てられることを防止する意図なのかも。
とりあえず、追加料金は理解しており、ちゃんと返す予定である旨を話して電話を終えた。
その後は、ブラブラと市街を走り、15時ごろ駅前のポートに返却完了。
晴天で日中最高気温30℃、遅れてきた夏日を自転車で満喫できた。よかよか。
さて、これまで私は大手2社(ドコモバイク、ハロサイ)を利用しただけでシェア自転車を分かったつもりになっていた。
しかし、独立系のシェア自転車は全く別のシステムで動いていることを、今日初めて知った。
スマホを要しない姫チャリのシステム、悪くないと思う。
まず、スマホを持たない年配の方や子供でも利用できるメリットがある。
さらには、スマホにはバッテリー切れという弱点もある(私もシェア自転車利用時に、これで焦ったことがある)。
大手シェア自転車は大都市圏でしか展開していない。それ以外の都市では姫チャリのように、自治体主導で独自の形態で運営されているのであろう。
他の独立系のシェアはどんなシステムで動いているのだろう。ちょっと興味がわいてきた。