元町の高架下商店街。通称「モトコー」。
JRの高架橋にそって続く、細なが~~~い商店街。
鉄道高架橋下の商店街としては、長さ日本一という。
戦後の闇市がルーツと言われ、雑多でレトロなディープゾーン。
郷愁に加えて、ちょっと怪しげな雰囲気も漂う。
ごく細い通路を挟んで、小さなお店がズラッと軒を連ねる様は、なかなかの壮観・・であった。かつては。
神戸の「裏名所」的に親しまれたモトコーも、寄る年波には勝てず。
数年前から高架橋の耐震工事がはじまり、段階的に店舗の退去が進められている。
耐震工事完了後はどうなるのか良く知らないが、近代的にリニューアルされてしまったら、それはもはや「モトコー」ではあるまい。
ただ、耐震工事は区間を分けて進められており、従来の形で営業している区間もある。
まだモトコーが現在の雰囲気をとどめているうちに、時折足を運んでおきたいものだ。
さて。
モトコーの「戦後レトロ」「アーリー昭和」とでも言うべき唯一無二の空気感は、見ようによっては(つまり、古民家カフェ等と同じセンスで見れば)「おしゃれ」と言えなくもない。
それゆえ、近年では新世代のお店の進出も目立っていた。
そんなお店の中には、注目すべき人気カレー店もあるのだ。
それが今回訪れた「KUU CURRY(クーカレー)」。
店内は決して広くはなく、横に伸びるカウンター席がそのほとんどを占める。この横長ミニマム感が、実に高架下らしい雰囲気。
ハラが減っていたので、ビーフカレーの大盛を注文。
すぐには出てこない。待つことしばし。
四角いお皿に盛られて、大盛ビーフカレーのおでまし。結構なボリューム。
付け合わせは定番の福神漬け、そして細かくサイコロ状にカットされた人参のピクルス(見た目がかわいい)。
いかにも煮込まれた感のある、モコモコ感のあるルーがうれしい。
優しくもスパイシーな味の底に、フラットな甘味が感じられて、ウマ~~。
この分厚い味には、やっぱり人参ピクルス、合うね。
そして、しっかりと煮込まれた、プニプニの大きなビーフがこれまた味わい深い。
濃くて、ディープ、そしてガツンとくる、まさにモトコーにふさわしいカレーだ。
(おまけ)
耐震工事中区間のモトコーがこちら。