カレーを探すのに、Googleマップは非常に役に立つ。ただし、完璧なものではない。
というのも、カレーを供するお店は、カレー専門店に限らないからだ。
カフェ飯としてのカレーもあれば、居酒屋がランチメニューとして用意しているケースもある。
Googleマップの検索だと、そこまで拾えていないケースも多い。
しかし、それゆえ、自転車ポタリングや、散歩の途中で、見知らぬカレーに出会える楽しみもあるというものだ。
さて、この日、私は武庫之荘の町を歩いていた。
以前、武庫之荘に住んでいた関係で、時折今でも同地を訪れることがある。
土地勘のある町をブラブラ、「2000本のバラ園」で有名な大井戸公園を抜けた先で、店先に掲示された手作りメニュー看板の写真が目に留まった
「あれに見えるは、カレーではないか・・」
近づいてみると、やはりそうだ。
お店の名前「Cafe de PASERi」にあるように、基本的にカフェだが、肉料理に相当こだわりのあるお店のよう。その看板には「当店の牛肉はすべて和牛A5ランクだけを使用しています」と付記強調されていた。
お昼時には少々早かったので、さらにぐるりと町をめぐり、正午前に戻ってきて入店。
普通のビーフカレーもあるが、「特選ビーフカレー」というのが気になる。ここは特選で行こう。
コロナ対策ゆえ、入口ドアは開け放たれており、夏の残り香を含んだ初秋の空気が店内にも漂う。
カフェらしい空気間にひたりつつ、待つことしばし、真っ白なお皿に盛られたカレーの到着。
お肉がコロコロ。深みのある色つや。
まるでホテルのレストランで出てくる高級カレーのようだ。
付け合わせはないようだ。カフェランチだもんね。そのほうがこのカレーにはふさわしい気がする。
一口たべると、まず、甘味が先にくる。
カフェゆえ、万人向けの甘口なのかな、と考えていたが、食べ続けると、甘味の底からじんわりとスパイスが顔を出す。
そして、だんだんとスパイシーテイストが表に出てくる感じ。
しっかり煮込まれた褐色のルーの中に泳いでいるビーフは赤身。噛むとホロっと崩れる。しかし、柔らかすぎず、牛肉らしい噛み心地を残し、肉本来のうまみが味わえる。
本格ビーフカレーでありながら、それとなく切れ味鋭いスパイシーパンチを効かせている。
印象に残る一皿であった。
こういう未知の強豪にフト出会えるのも、カレー巡りの一つの楽しみだよね。