平日に仕事の休みを取り、年老いた親の通院の付きそいで西神中央の中心街を訪れた。
その合間に、少々早い昼飯を取ることになり、開いているお店を探した。
ほどなく、市の出先機関が入っているビル「神戸市西区文化センター」のまわりに、ランチをアピールするのぼりが立っていることを発見。
どうやら1階に軽食も取れる喫茶店が入っているようだ。
軽食といえば、カレーもあるのではないか?
そう考えてビルに入り、1階ロビーの奥にあるお店に向かう。
すると、そこには、喫茶店のようだが、定食屋のようでも、居酒屋のようでもある一風かわったお店があった。
「喫茶コーナー」という館内表示があり、入口付近のディスプレイは、ソフトクリームを推している。
しかし、その横にはランチメニューを手書きしたボードが複数立てかけられている。
さらには、アサヒスーパードライのパネルが掲げられ、とどめとばかりに赤ちょうちんまでぶら下がっている。
元は喫茶店であったものが、独自の進化を遂げ、食堂・居酒屋を兼ねるハイブリッドスタイルにいきついたと思われる。
独特の入口外観にやや気おされつつも、入店。
窓際の席につき、メニューをみると、やはりカレーある。550円か、安いな。
飲み物は食事と一緒に頼むと100円引きらしい。ついでにアイスコーヒーも注文。
窓際の席で、道行く人を眺めながら、カレーを待つ。
そして、到着したカレーがこちら。
おお、しっかりと煮込まれた感のあるルーの色。
正直、出来合いぽいカレーが出てくることを予想していたので、これは良い方向に裏切られた。
お皿はやや小ぶりかな。このあたり、お店本来の姿である「喫茶店」としての、軽食メニューであることがうかがえる。
食べてみると、スパイス系の刺激とは全く無縁な甘口カレー。
しかし、酸味の効いた、深くて濃い味わい。
細かくサイの目切りされたジャガイモ、ニンジンがくたっと煮詰められて、ルーの中に潜んでいる。
専門店の本格欧風カレーや、ヒリヒリなスパイシーなカレーとはちがう。
かといって、家庭カレーともちがう。
いわば食堂系カレー。
こういうカレーも好きだな。
早めの時間ゆえ、さほどおなかはすいていなかったにもかかわらず、一気にパクパクたいらげてしまった。