自転車を趣味とするようになってから、三宮を中心とした神戸都心に出る機会が減った。
さらに、今年の秋よりテレワーク主体で働き始めて以降、定期券がなくなり、さらに縁遠くなってしまった。
たまたま用事ができたこの日、電車で出かけて、久方ぶりに三宮の町を歩く。
新型コロナ以降、人通り絶えた時期もあったが、かなりにぎわいが戻ったように思う。
旅行者と思しき人の姿も多い。
人通りは町の死活問題でもあるので、とりあえずは、よかよか・・
そんなことを考えながら、阪急三宮駅の北側の、細い路地を歩く。
一般的な繁華街と、歓楽街が交錯する、ちょっとディープ感のあるゾーン。
そんな中にも、個性的なカレー店が潜んでいるから油断がならない。
飲み屋系のお店が立ち並ぶ中、それと意識していないと、通り過ぎてしまいそうな細階段。
しかし、よく見ると、階段入り口上の庇には「本格カレーとちょい呑み」の表記あり。
カレーの文字を見てしまった以上、通り過ぎるわけにはいかない。
階段まわりの雰囲気は、バー・スナックような感じ。
一見客には、やや入りづらい感がある。
しかし、いざ行かん。そこにカレーがある限り。
階段をのぼり、ドアを開けると、カウンター数席のみ小さなお店。
若くてきれいなママさんが一人で切り盛りされているようだ。
常連さんらしきチョイ飲み客に荷物をのけてもらい、席に座る。
テーブルの上の手書きPOPが「あんまり作ってへんから、お早めに!!」と推している「きんかんと黒キャベツのドライカリー」を注文。
しゃべり好きのママさんのようで「あんまり辛くないんで、辛味足します? 自分で作っていて、我ながらインパクトないな~て思っているんでw」と言われる。
とりあえず、辛味足してもらう。
店内を眺めつつ、待つことしばし。そして出てきたのがこちらの一皿。
これは見た目からして、ただものではないな。
キーマらしく、ひき肉ゴロゴロ。
しんなり系の黒キャベツをはじめとする野菜類がカレーの周りをはなやかに彩る。
全体にかけまわされたガラムマサラが、「足した辛味」であろうか。
食べてみると、噛み応えのあるひき肉と各種野菜の合わせ技オンパレード。
お皿の各エリアで、さまざまな味が飛び出す。
そして、特徴はやはりキンカン。
食べ進めると、ところどころで酸味と甘味が、ピリッと顔をのぞかせる。
一般的なカレーとは対局に位置する、エスニックで、オリジナリティあふれるカレー。
パクパク平らげてしまう、楽しい一皿であった。