とある日曜日の昼下がり、雨の中、私は急いでいた。
市内のとある町に電車で赴き、ちょっとした用事をこなしてから、別の路線に乗り換えて、次の用事へと向かう。そんなシチュエーション。
乗り換えの合間に、サッと昼飯を食べてしまいたい。
こういう時に、カレーは最適。
どこかにカレーのお店はないか、ないか。
スマホで検索すると、周囲に候補が2店見つかった。
一つは洋食店。カレーもメニューにあるようだ。
もう一つはいわゆるインネパ系のカレー店。
インネパ系にも惹かれるが、ナンを焼いたりするのに多少時間がかかる可能性もあるので、スピード優先で洋食店の方を選んだ。
さて、お店のドアを開けて中に入ると、ひと気がなく、ガランとしている。
客は自分だけか・・
とりあえず、メニューにある「ビーフカレー」850円也を注文する。
年季の入った店内、くすんだビニールのテーブルクロスを眺めつつ、待つことしばし。
出てきたカレーは・・んん?
これって、レトルト・・??
おそらく、安いレトルト。
そういえば、調理中にカレーの匂いも何もしなかったな。
あるかなしかの具材。ポッテリとした食感。のっぺりとした味わい・・
いやまあ、カレーの専門店ではないし、そこまで期待していたわけではないが、これはちょっとあからさまだなあ。
かりに500円ワンコインであったなら、納得できる部分もあるが、850円とはなあ・・
カレーを食べ歩いていると、稀にこういうこともある。
そう考えると、専門店以外でのカレーは、ある種「ガチャ」といえる。
ただ、今回の件とは逆に、全く期待せずに入った食堂や喫茶店で、意外とおいしいカレーに出会うこともある。
ハズレもあるからアタリもある。
今回のハズレにめげずに、これからも未知のカレーを訪ね続けるのだ。
そんな決意を胸に、件の洋食店を静かに去った。