今年の年始、2022年1月3日のこと。
初ライドとして、ロードバイクで伊丹を目指した。
朝自宅を出発し、高速長田駅付近で山手幹線へと進路をとり、西に向かって一直線。
夙川の街を越え、西宮北口の手前で、国道171号に乗りかえ。北東方向を目指す。
クランクを回し続け、そろそろハラも減ってくる時分。武庫川を渡ったところで、フト、カレーの匂いを感じた。
まだ正月の三賀日。営業しているお店は数少ない。
「昼飯は、早めに営業再開しているチェーン店が見つかればラッキー。ダメなら、コンビニ飯だな」と覚悟してのライドであったが、まさか年始早々カレーにありつけるとは!
ただ、お昼には少々早い時間であった。そこで、ひとまずゴールと定めた伊丹に達し、復路に立ち寄ろうと考えて、一旦その場を走り去った。
阪急の伊丹駅に到着し、その後は適当に伊丹市内を流してからUターン。そして、先ほどのお店のところに戻ってきた。
先ほどはチラ見しただけで通り過ぎたが、改めてよく見るとかなり個性強めのお店だ。
アーリーアメリカン風のデッキスペースを広くとった建物。屋上には星条旗が翻る。60~70'sのアンメリカンな雰囲気を強烈にアピールしている。
そして、先ほどは空きスペースもチラホラあった広い駐車場が、クラシックなアメ車で満杯になっている!
近隣のアメ車マニアが新年を祝って集結?
当然お店は混みあっており、入口には待ち列もできている。これは予想外の事態。
今年の初カレーのために十二分にハラを減らしたつもりで戻ってきたわけだが、この空腹状態で待つのは無理。
「今回はあきらめよう」そう判断して、アンメリカンなお店を後にした。
以上が、ほぼ1年前のこと。
時は流れて、早や今年も年末に。
今年の最終ライドとして、12月30日に阪神方面にロードバイクで向かうことにした。
目的は、年始1月3日にあきらめた、あのアンメリカンなお店のカレーだ。
前回の経験から、今回は少々お昼には早めの11時半ごろにお店到着。
お店の名前は「U・K CAFE」という。
U・Kなのに、なぜアメリカ(英国じゃないの)?という疑問が頭に浮かぶが、屋上にたなびく星条旗が「ここはアメリカである」と力強く告げている。
そういえば、わがロードもアメリカンブランドのKHSだ。ちょどいいじゃないか。
入口のドアを開ける。
エントランスからしてこの状況。情報量多すぎ。
店内も推して知るべし。
さらに店内に入るドアを開けると、そこはアンメリカンなおもちゃ箱であった。
USポップカルチャーなアイテムが所せましと飾られている。
インテリアも、椅子一つとっても「CHEVROLET(シボレー)」のロゴ入りの、ド派手なものだったりする。
圧倒されつつ、カウンター席の片隅について、ランチメニューの「ジャワカレーライス(サラダ、カップスープ、ドリンク付き)」を注文する。
「ジャワカレー」って、あのハウスのジャワカレーだろうか? ネタをさらすなんて、えらくあけっぴろげだな。大国ゆえのおおらかさなのだろうか・・・そんなことを考えている内に、カレーがやってきた。
うえっ!すごい量だ。
お皿の上にごはんがこんもり、というか、ゴンもり盛られている。
普通のカレー店なら、大盛どころではない。特盛サイズ、いや、ほとんど二人前サイズだ。
自転車こいで消費したカロリーを補って余りあるボリューム。往復分のカロリーすら超えているかも?
一瞬ひるむが、覚悟をきめてスプーンで端から突き崩す。
ルーはかなり濃い。
そして、ぐっと渋めなテイスト。
ハラヘリ状態ゆえ、最初はパクパク調子よく食べていたが、なかなか減らない。
途中単調になりがちだが、お皿の片隅にはサラダが盛られ、福神漬けも添えられている。それらを間に挟んでペース配分しつつ、食べ進める。
キャベツの千切り主体のサラダと、濃いルー。なんだか金沢カレーぽいような・・いやいや、これがアンメリカンスタイルなのかもしれん。きっとそうだ。
そして完食。いやあ、食った食った。
こんなに胃袋パンパンにしたの、久しぶりだ。
「細かいこと言うな、要はボリュームや」そんなゴリマッチョなカレーであった。
それにしても、ここまで満腹になってしまって、帰り、大丈夫かいな・・?
そんな一抹の不安とともに、食後のアイスコーヒーをすすりこむのであった。
▼ U・K CAFEは関西に3店舗あるようだ。ちなみに、U・Kの由来は、英国ではなく「オーナーが当時留学していたケンタッキー大学に由来する」そうな。