西明石から姫路方面を目指し、国道250号、通称「明姫グリーンロード」を折りたたみ自転車で進む。
天気予報によれば、この週末以降に最強寒波が襲来するという話であったが、今日は晴れて良かった・・
そう思いながら、ゆるゆるペダルを踏んでいると、雲行きがあやしくなってきた。
「突如空かき曇り」という言葉そのままに、急激にあたりが薄暗くなり、小雨パラパラ。そのうち細かい粉雪も混じり始めた。
本格到来を前にして、最強寒波が軽くジャブを放ってきたか。
服装的に防寒対策はしっかりしてきたが、雨と雪は想定外だったな。
ハラも減ったし、一旦ランチタイムにして、天気の推移をしばらく見守ろう。
そこで、前から気になっていた高砂にあるカレー店を目指すことにした。
そのお店は「カレーの東インド商店」というちょっと変わった名前。明姫グリーンロードから少し南下したところにある。
市街地をゆるゆる走り、スマホを頼りにお店を探す。しかし見つからない。
しばらくあたりをぐるぐる走り、やっと見つけた。
すみっこに「カレーとコーヒー」とのみひっそり書かれた白のれんをくぐって入店。
うう、あったかい~。
曇る眼鏡をふきふき眺めたお店の中は、テーブル席とカウンター席、併せて10席そこそこだろうか。
床には火鉢を思わせる円形コンロがおかれ、その上にはやかんがちょこんと置かれている。
レトロだがスッキリ洗練された雰囲気、木のぬくもりを感じさせる内装。
音の良いスピーカーからはゆったりとジャズが流れる。
お店が一つの世界を形作っている感じ。
こういう「世界観カレー」好きだな。
メニュー筆頭の「定番のチキンカレー」に、サラダとコーヒーのセットを加えて注文。
最初は空いていた店内だが、カレーを待つうちに、テイクアウト含め、客がとつとつ訪れる。駅から離れたエリアだが、おそらく地元で知る人ぞ知る人気店なのだろうな。
そんなことを推察している中、カレーが到着。
色とりどりのサラダ。銀色の長皿に黄色いごはんがまるく盛られたカレー。
一般的なチキンカレーと異なり、骨付きのチキンがきっぱり一つだけ。ゴロンとルーの中に転がっている。
ひとまず、カレーを一口。
スパイスを感じさせつつも、そこまで辛くはない。
お店の雰囲気と同じく、シンプルで洗練された味。
しかし、どこか懐かしさを感じる味。
チキンの肉を骨からはがし、具にして食べる。
合間に食べるサラダは、フレンチドレッシング系のサッパリしたあじわい。
全般、余計なものを省いたシンプルさが潔く、そして心地よい。
食べ終えて、ほっこり。
体もあたたまったところで、入口のガラス戸越しに外を見る。
雪はやんで、晴れ間が差し始めた。