丹波市で宿泊。一夜明けて、今日も朝からライドだ。
午前7時頃にホテルをチェックアウト。輪行形態で部屋に持ち込んでいた折りたたみ自転車カラクルを、サクッと組み立てる。
それにしても、周囲の霧がすごい。さすが山あいの町だ。
霧で視界が悪い。その上、走ると霧の微粒子が眼鏡についてしまい、すぐに曇る。自歩道がある場合は、迷わずそちらを利用。慎重に、ゆっくり走る。
ま、今日の天気は晴れ予想だし、日が昇ってくれば霧も消えるだろう。
ユルユル進むうちに、はたして霧は晴れてきた。
視界がよくなるとスピードも上がる。快調に県道7号を北上。そして青垣という小さな町を通り抜け、国道427号に出る。
そこからしばし427号を西へたどると、山がグイグイ迫ってきた。
きたぞきたぞ。
ここからが本日のメインイベント。青垣峠越えだ。
この青垣峠を越えれば、一気にJR播但線の生野という町に出ることができる。
ただ、事前にちょろっとネットで調べたところ、青垣峠、結構キツイ坂だそうな。
最近、風邪の影響でロクに自転車に乗っておらず、体力は落ちている。しかも、今日はロードではなく、折りたたみ小径車。そんな状況で、この青垣峠、越えられるのか!?
ちょっと不安。でも、迷わず行けよ、行けばわかるさ。
峠への道を進むと、急に周囲の風景が山中のものとなる。
周囲はひっそり静か。道の右側を流れる小川の音がサラサラと聞こえるのみ。森閑のフォレストロード。
最初のうちはたいしてきつい登りはない。たまにごく短いキツ目の坂が現れるが、その時だけサドルから腰を浮かせて対応。それ以外はシッティングで十分進める。
なんだ、それほどキツくないやん。心配して損したわ。
フンフンフ~ン♪ 安心して、つい鼻歌混じりでペダルを踏む。
ゆるゆるマイペースで進んでいくと、当初道路右側を流れていた小川は、いつしか左側の谷川に姿を変えた。そのため、道路の左は崖になっている。それなのに、左側にガードレールがない区間が結構ある。危ないな。
進むと次第に道路幅は狭くなってきた。今のところ、道路を行きかう車には遭遇していないが、すれ違いが発生した場合注意が必要だ。
青垣峠頂上に向かって、優に半分以上の道程を進んできたはずだが、今のところ足つきなし。案外このまま登り楽勝かな?と思っていたところに、後ろからエンジン音が聞こえてきた。
振り返ると、細い道をでっかいワゴン車が登ってくる。しかもその時は左のガードレールがない区間であった。あわててガードレールのある所まで進み、足をつき、ガードレールに身を寄せてやり過ごす。
まあ、この足つきはしょうがないよね。
(それにしても、よくこんな細道を車で通るよな。退避スペースも少なく、対向車と出会ったらどうするのだろう。)
さて、気を取り直してペダルに脚をかける。そして再スタート。しかし・・・あれ、スタートの際にちょいふら付く。さっきより斜度がきつくなってないか?
シッティングをあきらめ、ダンシングで登るが、じ~わじわと斜度が上がってくる。う~む、やはり噂通り青垣峠、甘くはないわ。
そう思っているところに、ふたたび自動車とのすれ違いが発生。やはり足をついてやり過ごし。
そして走行再開すると、先ほどにもましてふら付いた。うわー、知らぬ間にけっこうキツイ坂になっているぞ、これ。
鈍っていた脚の筋肉がピクピクしだす。
そんな時に再び車とのすれ違い。同じく足ついてやり過ごし。
再スタートするも、路面のデコボコに車輪を取られ、すぐに足をつく。強引に再スタートしたら、前輪が浮いてしまい、また足をつく。このころには足も限界に達して、つりそうになる。足をつく。
順調だった前半とは打って変わって、足つきの連続。
しかし、押し歩きはしない。ペダルを踏んで、登り切りたいという謎のこだわり。
もう、何回足をついたのかわからない。どこまでこの坂続くんだよ。
すると、目の前に、坂の頂上が見えてきた。
よし、坂の終わりは近いぞ。グイッとペダルを踏みこむ。
しかし、それがマズかった。足がつりかけた。ふたたび足をつく。
あと半歩でも足を動かせば、足全体がビシーッとつって、悶絶状態になること必定。
頂上はすぐそこなのに、自転車にまたがったまま、路肩で動けず。足の危機的な状況が去るのをひたすら待つ。
5分以上は動けずにいただろう。ようやく足の状態が落ち着いた時を見計らって、走行再開。
そして、青垣峠、登り切った~。
いやー、なかなかパンチのある坂だったな。仮に自転車がロードであったとしても(そして、車とのすれ違いがなかったとしても)自分の貧脚では、初見で青垣峠を足つきなしで登りきることはできなかったろう。なかなかの難敵であった。
さて、後は峠を逆側に下るだけ。
長いダラ坂をひたすら下る。下りきるとJR播但線沿線の生野の町に出るはずだ。
川沿いの道を下る。景色もなかなか良い。下っていて、楽しい。
それにしても、長い下りだな。
生野の町についたら、生野名物だというハヤシライスを食べて、播但線で帰途に就く予定だ。しかし播但線は本数が少ない。生野駅で、予定している11:52分発に乗れるか、少々不安になってきた。
そして、川は最後にダム湖に姿を変えた。
ダム湖のまわりの平坦路では、青垣峠に削られた足を無理やり回して先を急ぐ。
そのかいあって、電車には間に合いそうな時間に、生野駅前エリアに到達。
事前にチェックしておいた駅近のログハウス風カフェで、「生野ハヤシライス」にありついた。
ランチにはやや早い時間のせいか、まだ客は自分ひとり。料理も早く出てくるだろう。ラッキー。
ホントはドリンクも注文して、もっとゆっくりしたいところ。しかし、この後の11:52分の電車を逃すと、次は13時台になってしまうので、食べ終わるとすぐにお店を後にした。
そして、11時半過ぎに、JR生野駅前に到着。後はカラクルをパパっとたたみ、輪行で電車に乗るだけだ。
それにしても、今回の一泊輪行旅行は、近場ながらいろいろと見どころがあった。
自宅の神戸市と同じ兵庫県内とはいえ、近くても知らない場所や風景がいろいろあるもんだ。
そして最後の難関、青垣峠はひときわ印象に残った。
それを乗り越え、予定のコースを予定通りの時間で走り抜けることができて、満足、よかよか。