小浜のビジネスホテルで、朝6時起床。昨日地元スーパーで買ったおにぎりでパパっと朝飯。鯖の町だけあり、他ではあまり見ない鯖のおにぎり(しかも複数種類)が普通に市販されているのはさすが。
8時前にはホテルをチェックアウト。小浜の町中をくるっと走ってから、敦賀方面に向けて出発。



左手に行けば、拳骨のように海に突き出た内外海半島(うちとみはんとう)に至る。そちらに向かう「エンゼルライン」という道路も気になる。しかし予定外の寄り道はせず、先に進む。

郊外は道路状況が悪化するのではないかとチョイ心配していたが、自転車歩行者道(自歩道)がしっかり整備されている。その上、車道には自転車ナビマークまであるではないか。どうやら、サイクルツーリズムにフレンドリーな土地柄のようだ。
今日は小径車でのポタ旅なので、風景を眺めながら、自歩道に乗ってゆるゆる漕いでいくことにする。驚いたことに、この自歩道、途切れない。周囲に人家がなくなっても延々と続いていく。これはちょっと珍しい。
そのうち、道は山地に差し掛かった。どうやらここから山あいの地になっていくようだ。

朝、ホテルを出る時は肌寒いくらいで、夏用の薄手ロングスリーブの上に、カジュアル調の春秋ジャージを重ね着していた。ここから登りが出てきそうだ。そこで、上の春秋ジャージを脱いで、坂に備える。
しかし、警戒していたほどの登り坂はない。昨日走った琵琶湖→小浜の国道303号と同じく、次々と現れるトンネルが山をつらぬいていくので、せいぜいユル登りがある程度。
しかも、国道303号と違って、このあたりのトンネルはすべて自歩道がしっかり整備されている(基本的に海側のみだが)。そのため、安全かつ快調にトンネルを通過することができる。

なお、驚いたことに、トンネル内であっても、車道に自転車ナビマークが描かれている。歩道外側線はあるにはあるが、幅はごく狭い。そんなトンネル内を自転車で走るのは、ちょっと危険ではないか?しかも、全長1㎞以上に及ぶトンネルもあるのに・・。


自分は自歩道を走りつつ、そんなことを心配しながら、海岸沿いの自歩道を進む。
空は曇り、小雨がたまにポツポツ落ちてくる。まあ、暑くなるよりかはいいか。
海と山に挟まれた場所ながら、時折小さな町や集落は現れる。それぞれ漁村であったり、ビーチと海産物が名物の観光地であったりするようだ。自歩道が途切れないのは、それらの町や村の間で人の行き来があるからなのかな~と推察。
走っているうちに、海水浴場で有名らしい「犬熊」なる地名が目に付いた。
う~ん。「熊」の文字が気になるな。
昨今、毎日のように、人里へのクマ出没が報道されている。もしかしてこのあたりは、昔からクマが出没するからそんな地名が付けられた・・・なんてことはないだろうか?
そういえば、昨日立ち寄った鯖街道の宿場町も「熊川」だった。もしかして、若狭近郊はクマ多発地帯だったりして・・・。
そんなことがフト頭をよぎり、少々不安な気持ちを感じつつも、ペダルを踏み続けた。
すると、自歩道の先に、なにやらこんもりとした灰褐色の物体が見えた。
んん? なんじゃありゃ。倒木か何かか?
しかし、表面がなにやら毛むくじゃらのような気が・・・ま、まさかクマ!?
・・・いやいや、TVニュースで見るクマは真っ黒だ。前方の物体は、そこまで黒くない。
では、あれはいったいなんだ?と疑問符が頭の上に浮かんだ時に、その物体モコッと動いた。こちらを振り向く二つの赤い顔。
あ、あれは・・・サルか。野生のサルだ。
二匹のサルがこちらに背を向けて、くっついて座っていたので、物体としてちょっと大きめに見え「すわ、クマか」と思ってしまった次第。
サルは当方の接近に気づくなり、あっという間に自歩道と海側の林を隔てるフェンスをピョンと飛び越え、目の前から消えた。
そのまま自転車を進めて、サルが消えたあたりの横の林を見ると・・・赤いお面が林の暗がりからこっちをじっと見ている。
一瞬、スマホでその様を写真に撮ろうかとも思ったが、彼らを刺激する動きをすると、逆ギレしてとびかかってくることも考えられないではない。
撮影はあきらめて「単なる通りがかりですよ~」「君らに興味はないよ~」という風を装いつつ、しれっとその場を通り過ぎた。
それにしても、野生のサルに遭遇するとは。人里離れた旅路であればこその、ちょっと珍しい経験であった。



その後長いトンネル(走行可能な自歩道あり)を抜けると、風景が海岸線から農村地帯へと変わり、湖が見えてきた。

今回の旅行を計画するまで知らなかったが、小浜と敦賀の中間の海岸付近には「三方五湖」という5つの湖が集まっている。
湖の間の山岳には「レインボーライン」なる観光道路が走っており、山頂の展望テラスからは五湖と海を一望できるという。しかも、山頂のカフェにはワイン煮込み若狭牛のカレーがあるという。ぜひレインボーラインを登り、景色を堪能しながらそのカレーを味わいたい。そのように計画して、楽しみにしていた。


「三方湖」と細い水路でつながる、次なる湖「水月湖」の湖岸に至り、目指すレインボーラインの入口にたどり着いたが・・・なんと!レインボーラインは自転車通行禁止とな!? ガックリ・・・。

しょうがないので、自転車ナビマークに導かれ、「水月湖」の湖岸沿いに伸びる細い道を進むことにする。



そして、次なる湖、「日向湖」方面に移動。先ほどの「水月湖」とは川でつながっている。


それにしても、ハラヘッタ。もう正午が近い。朝から自転車こぎっぱなしだもんな。レインボーライン山頂の若狭牛カレーにはたどり着けなかったが、付近でカレーを食べれる店はないだろうか。
空腹を感じつつ隣の「久々子湖」方面に移動したところ、五湖巡りの観光船乗り場があり、そこにカフェが併設されているのを発見。ここで食べることにした。
このカフェでちょっと変わり種のカレーを食べることができた(※カレー詳細は別途記事にまとめる予定)。
胃袋にエネルギーをチャージしたのちに、五湖エリアに別れを告げて、敦賀に向けて再出発。
地図で見ると、付近を走る国道27号をたどれば、まっすぐ敦賀の町中に至るはずだ。
ところが、旅先あるあるで、その国道27号は途中で自動車専用バイパスになってしまった。
山をつらぬき敦賀を一直線で目指すバイパスと離れて、自転車の私はぐるっと大回りして海岸沿いを走ることに。



大回りさせられた後に、峠越えが待っていた。まあ、今日は予定していたレインボーラインを登り損ねたので、最後にプチクライムをこなすのも悪くはないか。


(坂の向こうから登ってきた形。振り返って撮影)。
峠から下り、敦賀の市街地入り。ただ、町中に入っても、本日のゴールと定めたJR敦賀駅になかなか到着しない。敦賀って、こんなに大きな町だったのか。
ずいぶん前に敦賀を訪れたことはあるが、その時は電車の乗り換え時に駅周辺をチョロッと見ただけであった。こんなに広がりのある町とは思っていなかった。


その後、敦賀の町をぐるっと走ると、駅から離れたところに大規模なロードサイド街があった。全国おなじみのチェーン店が立ち並ぶ。今では駅前よりも、こちらの方がにぎわっている感じだな・・。
そんな具合に街の現状を観察した後に、15時過ぎにホテルにチェックイン。
その日の晩御飯は、地元系の回転すし店で、海の幸を堪能。生ビールも2杯飲んで、しめて5千円が胃袋に消えていった。
ライドを無事終えた後の旅先メシは、どうしてこんなに旨いのだろう。
(後編に続く)
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