旅の二日目は6時に起床。
シャワーを浴びてシャッキリ目を覚ましてから、6時半開始のホテルのビュッフェ朝食へ。うれしい食べ放題。さらに「朝カレー」まであるぞ。本日のライドに備えて、カレーから、パンから、和洋各種おかずまでしっかり食べる。
そして、8時過ぎにホテルをチェックアウト。折りたたみ自転車カラクルに乗って、ライドスタート。

宿を出発。町はずれの地味~な場所に、ポツンと存在する近代的なホテルであった。
この日の予定ルートは、以下の通り。
宿泊地の井原市からスタート → 広島県に入り、福山市北部を通過 → 府中市を経由 → 三原市北部から山を越えて海側へ → JR三原駅に到達
実はその「三原市北部から山を越えて海側へ」部分のルートが、ちょっとした謎の道なのだ。その件は後で詳述するとして、先を急ごう。
昨日総社市から三原市へと走ってきた「国道313号」に再び乗って、西へと向かう。
やはり昨日同様、南北を山に挟まれた、川沿いの細長い平地に沿って走る。
ちなみに、前日、総社市か井原市まで沿岸を走ってきたのが小田川。そして、この日走る井原市から西のエリアに流れているのが高屋川。そのふたつの河川は、近いのにつながっていない。その両河川に挟まれた場所が広めの平野になっており、その地が井原市中心街となっている。
その昔、江戸時代ごろまでの河川が主要物流ルートだった時代は、井原市は交通の要衝として栄えたのだろうな。多分・・・
そんな風に、今いる場所の地理と歴史に思いを巡らせながら走るのも、自転車旅の楽しみの一つだ。
そのまましばらく直進していると、だんだんと周囲が都市の周辺部ぽい雰囲気になってきた。それもそのはず、この国道313号をもうちょい走り続けると、広島県東部最大の町、福山の市街に至る。
しかし、私が目指すのは福山中心街ではない。途中の交差点で313号を離脱して、北北西へと向かう国道486号に乗りかえた。この道を行けば、府中市という町に至る。
「府中市」と言えば、東京都府中市が真っ先に頭に浮かぶ(かつて私は、東京の府中市に隣接する稲城市に住んでいたので)。広島にも、同名の府中市があろうとは。今回の旅を計画するまで知らなかった。
その府中市へと伸びる国道は、ロードサイド街が延々と続く。府中市は、福山市と地続き的な町なのであろう。

福山市郊外から府中市までは、全国どこにでもあるようなロードサイド街が続く。
淡々とペダルを踏んでいるうちに、府中市の中心街に到着。

府中市の中心街に到着。地元の老舗百貨店の進化系と思しきショッピングセンターの存在がひときわ目立つ(屋根上の看板のマークが昔風)。
さて、駅の近辺に道の駅があったので、そちらで一休みしよう。今日は昨日と違って、曇り空。日差しがないと春秋ジャージ&ウインドシェルの重ね着でも、走っていると若干肌寒いくらい。あったかいコーヒーでも飲みたいところだ。

JR府中駅のすぐ近くに道の駅「びんご府中」があった。おいしいコーヒーを提供するカフェがあればありがたいのだが・・。
ところが、『4月22日は「道の駅の日」』と大書きされたノボリが立ち並んでいるにも関わらず、この「道の駅 びんご府中」は休業日であった・・。ええっ!?こんなことって、あるの!?

ええっ、「道の駅」習慣のメインの日、4月22日「道の駅の日」に、この道の駅は休業って・・・それってアリなの?
しょうがないので、自販機であったかい缶コーヒーを買おうとした。しかし「つめた~い」と表示されたものばかり。んあ~
しょうがないので、冷え気味の体でベンチに座り、冷たい缶コーヒーをチビチビ飲んだ。まあ、トイレ休憩はできたので、良しとするか。
ちなみに、ショッピングセンターや道の駅がある国道沿いは元々は駅裏であった模様。線路を越えて駅前ロータリーに行ってみたが、そちらはちょっと寂しい感じであった。車社会の到来早々に、駅前の賑わいは、駅裏道路沿いに移動してしまったのだろう。

駅前ロータリー附近は至って静か。学習塾などが入った築古の雑居ビルが地味に並んでいるのみ。
駅の周囲をくるっと走って回った後に、府中の街を後にし、ふたたび国道486号に乗る。すると、昨日と同じように、川を左手に眺めながら走る形となった。

芦田川と、途中からその支流である御調川(みつぎがわ)沿いに走る。水が澄んでいるのがわかる。
しばらく走り、先ほどの府中駅から伸びるJR福塩線(ふくえんせん)の踏切を越えると、ここから先は鉄道路線がない地域。カラクルと自分の足だけがたよりだ。
路側帯は思ったよりしっかりしている。しかし、田舎道ゆえ、路側帯が狭くなったり、白線が擦り切れている箇所もある。大型車も多い道なので、注意しながら走る。
途中、路側帯が頼りなくなった場所で、フト川の対岸に渡ってみてはどうか?と思いついた。国道から川を挟んだ対岸には、村落がポツポツと連なっているのが見える。もしやそちらの川沿い生活道をたどれば気楽に走れるのではないか・・。
目の前に橋が現れたので、思い切って対岸に渡ってみたた。しかし、これが失敗。各村落の間は道でつながっておらず。仕方なく、引き返して、元の国道に戻る。

国道の対岸に渡ってみたが、しばらく進むと、川土手上の道路は未舗装路、さらに農道?になってしまった。それでも強引に進んでみたが、行き止まりに。しょうがない、引き返すか・・
途中、尾道方面へと向かう国道184号との大きな交差点付近に道の駅を見かけたが、止まらず先に進む。
周囲の景色はいつしか田園地帯のものに。そして道路がだんだんと上り坂になってきた。棚田の中にポツポツと民家があるだけの高原地帯と言ったところだ。

いかにも高原の農村地帯といった眺めが広がる。空が晴れていれば、もっと気持ちのいい景色になったろうけど。
田畑と山林が入り混じった景色の中、延々ダラ坂登りが続く。朝しっかり食べてきたので、そこまでハラは減っていないが、単調な景色の中で続くダラ登りは、メンタルのスタミナを消費する。気持ちがしんどくなってくる。
GoogleMapによると、もう数キロ進めば、こんな田園地帯の中であってもコンビニがあるらしい。そこで一休みしよう。
登り続きなので、たった数キロが遠い。まだか、まだか・・・と思いつつペダルを踏む。ようやく、遠くにセブンイレブンの看板が見えた時にはホッとした。あれぞライド中のオアシスだ。

写真だとわかりづらいが、あの遠くに見えるのは、おなじみの赤・黄・緑があしらわれたセブンの看板だ。
さて、ここから先のルートが、冒頭に書いた謎の道だ。
このコンビニ近くの交差点で、国道486号と別れて、県道25号「三原東城線」という道に乗って三原の街を目指す。ただ、この道「三原東城線」がアヤシイのだ。
「三原東城線」に乗れば、山を越えて、海岸の三原の町に出ることができる。ヒルクライムを終えて、ゴールにたどり着くというのは、旅の流れとして良い感じ。ぜひ最後に山越えをしたい。
ところが、事前調査の際、GoolgeMapの経路機能で、当該交差点から「三原東城線」経由でJR三原駅までのルートを引こうとしても、必ずハジかれる。
正確に言えば、「車」前提で経路検索すれば問題ないのだが、「徒歩」前提だと、かならず「三原東城線」を避ける形で経路表示される。「三原東城線」上の地点を経路地として指定しても、ダメなのだ。なぜか大回りな不自然な経路が提示される。
※ちなみにGoogleMapには「自転車」前提の経路検索機能もあるが、カバー範囲が都市部限定(もちろん、この「三原東城線」のあたりも対象外)。そのため、地方のルート策定の際は「徒歩」で経路検索することにしている。「徒歩」だと高度も表示されるので、とても便利。
もしかして、「三原東城線」の山越え区間は自動車専用路なのか? あるいは何らかの事情で、車以外は非推奨のルートなのか? 例えば、登りが険しすぎるとか、危険性が高い区間が存在するとか。
この道を地図で見ると、クネクネとのたくっている区間がある。もしかしたら、激坂山越えかも? どんな道なのだろう。出発前から、想像は膨んだ。
ま、行けばわかるさ。もし自転車で通行できなければ、引き返して大回りすればいいし。そう考えて、とうとう今、現場までやってきた。
先ほどのコンビニ休憩中に、険しい登りに備えて、ウェアを夏用の薄手ジャージに代えた。念のためスイーツを食べてカロリーも補給。予備のスポドリも購入して備えは万全。もし、きつい登りがあっても、乗り越えられるさ。
リアライトの点滅を一番派手なパターンに切り替えてから、その「三原東城線」に入っていった。

矢印の方向に進み、謎の「三原東城線」に入っていく。さて、どんな道が待っているのやら。
しばらく進むと、登攀路線が現れた。ほほう、これは結構険しい山道が来るんじゃないか?

登りのみ2車線になっているが、外側が登攀路線だ。
さらに進むと、路側帯がほとんどなくなる区間もあった。これはもしかして、キケン道になるのか?

路側帯はあるが、所々で幅員が狭くなることも。背後からの車の接近に気を払いながら、安全重視で走行。
そんなことを懸念しつつ、登っていくと・・・なんだか周囲の山々の頂上が近い感じ。あれ、もしかしてもう登り終わりじゃないか?
ほどなく、峠道のピークと思しき場所が現れた。

ありゃ、ここがもしかしてピークか?まだ、たいして登っていないんだけど・・。
結局その場所が山越えのピークであった。なんだ、たいしたことない登りじゃないか。拍子抜け。
実際のところ、ダラ登りの後のコンビニの時点で、それなりに標高があったのだろう。そこからちょっと登っただけでピークを通過した形だ。
さて、後は海岸の町まで下るだけ。
まあ、その先の下り坂がやたらクネクネと湾曲しており、けっこう斜度もある。そして、路肩には太い枯れ木がポンポコと落ちていたりするので、注意して走る必要があるのは確かだ。見通しの悪いカーブでは、特にスピードを落として、慎重に下る。

海岸の町へと下るクネクネ坂(所々に退避路線的に広くなっている場所があるので、そちらで一旦停止のうえ撮影)。
クネクネ坂を下っていくと、山々の間から、下の方に広がる町がチラリ、チラリと見える。このあたり、地元六甲山の、再度山ドライブウェイの北野口へと下る坂と、雰囲気がとてもよく似ている。
最期におおきなU字カーブをグワーンと下ると、三原の市街にポンと出た。
なお、昨年12月に福山から広島までの自転車旅で、三原の町を通りがかったが、その時は先を急ぎ、町の様子が気になりつつも、ヌルっと通過してしまった。
今日はこの後、三原の町中を見て回り、そして新幹線で帰途に就く予定。そうそう、その前に昼飯を食べないと。
途中カフェに立ち寄り、カレーと地元名物のプリンで少々遅めのランチ(カレーについては別途記事にまとめる予定)。
町中を見て回り、最期に駅直結の三原城跡に登ってから、15時過ぎのこだまに乗って帰途についた。

引き込み湾を取り囲むように広がる三原の町。瀬戸内の島々へ向かう船の一大拠点でもある。
初日、二日目と、山間部の川に導かれ、最後は山を越えて海に出た。自然豊かな風景を満喫できた、良い旅であった。
(岡山~広島西部のちょい内陸あたり。歴史に触れるポタライド旅 了)