ロシアがウクライナに侵攻してから2週間がたつ。
まさか、21世紀にもなって、こんなにあからさまな侵略戦争がありうるとは。
驚くと同時に、暗澹たる気持ちになる。
一刻も早い停戦を願わずにはいられない。
そして、投資を行う身としては、経済の動向も気にかけねばならない。
ロシアが原油を交渉材料とするのは明白なため、世界的な原油価格高騰は免れない。
原油は社会の隅々までエネルギーとしていきわたっているため、ガソリン高はもちろん、ありとあらゆる物価の押し上げ要因となる。
また、かの地は小麦の一大産地であり、世界的な食料の供給バランスも悪化する。現地から程とおい日本ですら、パンをはじめとする食料品の値上げが始まっている。
さらには、日本・西側諸国のロシア国内での事業停止、ロシア債のデフォルト懸念など、ロシア発の経済ネガティブ材料はあふれかえっている。
これでは、当面の世界経済は下押し圧力を受けざるを得ない。
経済が悪化すれば、当然株価は下がる。
株価が下がれば、それはつまり私の持ち株の総時価額=資産価値減少を意味する。
取るに足らない大海の一滴、超微弱投資家の私とはいえ、だまって看過するわけにはいかない。
原油が上がるとわかっているわけだから、原油(と連動して動くETF等)を買う。
ユーロは下げるとわかっているから、FXでEUR/JPY、EUR/USDを売る。
いちトレーダーとして、資産防衛のため、そういったヘッジ取引をせざるを得ない。
原油や小麦が急騰すると、投機の影響が取りざたされる。戦争をネタに儲けやがって、と。
でも相場を動かすような機関投資家が原油を買う気持ちは、わかるんだよなあ。
顧客から預かっている資金を減らさないためには、ヘッジを考えないわけにはいかない。
そして、その「顧客の資金」の中には我々の年金基金等も(間接的にせよ)含まれているはずだ。
つまり、原油等の法外な高騰は、それとは意識せずとも、私たちが加担している面がある。
現在のグローバルな金融は、あざなえる縄のごとし。
ゆえに、ガソリン高、食品の値上げに文句を言っても仕方がない。
ウクライナ情勢の早期鎮静化を願いつつ、いざ停戦が成されたときの相場の急変に慌てないよう、私も冷静な目でヘッジのポジションを調整するよう心がけよう。