あぢっ、あぢっ・・
その時は私は、ロードバイクの上で暑さに辟易していた。
5月初頭のゴールデンウィーク連休、この時期は日中の寒暖差が大きいことは承知している。
しかし、この日はその変動が激しすぎた。
朝出る時は肌寒いくらいであったが、その後気温はみるみる上昇。
さらに、照り付ける日差しも、夏に近いような強烈さだ。
そういえば、天気予報でも、ゴールデンウィーク連休の晴天日は熱中症注意と言っていたっけ。
暑気にあてられて、だんだん体がだるくなってくる。さらに、首筋がこり、頭がやや重いような感覚が出てきた。
これはまずいな。
このままだと熱中症になりかねない。休息が必要だ。
ひと休みしようと考えたら、とたんに空腹も意識された。そういえば小休止のみで、4時間以上もペダルを踏み続けているもんな。エネルギー補給も必要だ。
「メシだ、メシ・・」そう考えて周囲を見渡す。しかし、今走っているのは姫路市の北部のはずれ。それほど飲食店があるエリアではない。
できれば、昼飯を食べるだけではなく、しばらく休憩できるカフェレストランのようなお店があればいいのだが。
そんな都合のよいお店に出会えるものか・・と考えつつホイールを転がしていると、まさにそんなカフェレストランと思しきお店が前方に出現。これ幸い。
お店の裏側の駐輪場にロードを停め、いそいそと入口に向かう。
お店の名前は「Cafe La Karin」。基本はカフェのようだが、入口でメニューを見ると、フードメニューにも力を入れいている業態のようだ。うれしいことにカレーもあるぞ。
店内に入ると、涼し～～。ひと心地～～。
気分が落ちつくと、余計に腹が減る。ガッツリ食べたいのでカツカレーを注文。
冷たいものも飲みたいので、アイスコーヒーも併せて注文すると「ドリンクバーのほうがお得」だと言われる。そのままドリンクバーも注文。
カレーに先立ち、まずドリンクバー用の空コップとサラダがやってきた。
カレーを待つ間にドリンクバーに赴き、コップに氷をたっぷり入れてアイスコーヒーを注ぐ。
席に戻り、アイスコーヒーをすする。ウマ～～。オーバーヒート手前の体に、冷たいコーヒーがひんやり染みわたる～～。
ああ、生き返るわ・・と思ったそのベストなタイミングで、カツカレーがやってきた。
真っ白な楕円系のお皿に、白ごはんと、深い褐色のルー。そして赤い福神漬け。
まさにレストランの、正統派カレーだ。
そして、カツがなかなかのボリューム。
カツを少し持ち上げてみると、切り口の厚みは１cmほどありそうだ。これは食べ出があるぞ。
まずはごはんとルーのみで一口。重厚感のあるルーは、見た目よりさっぱりした味わい。
そして、その軽やかな味わいが、どっしりとしたカツに合う。
ごはんにとってはカレー、カツにとってはソースという感じ。
ごはんもカツも、するすると食べ進んでしまう。
さらに、ルーの中にはビーフも入っている。トロッと煮込まれていていい感じ。
時折ゴマドレのかかったサラダをはさみつつ、あっという間に食べきってしまった。
さて、もうちょい体力回復するまで、しばし休憩していこう。
幸いなことにドリンクバーはお代わり自由だ。
その後、自分でもあきれたことに、アイスコーヒーを結局4杯も飲んでしまった。ここまで冷気と水分を欲していたとは、熱中症一歩手前だったのかもしれん。
気分がゆったり落ち着いたところで、ふとテーブルメニューを見たところ、なんとドリンクバーはわずか＋100円であることが判明（ランチメニュー向けのサービスオプション）。
うわ～、なんという超コスパ。
今日はこのドリンクバーに救われた。
初夏の日差し照り付ける中でのロングライド、お昼時にベストというほかないお店に出会えて、ラッキー＆満足。
