前回記事で書いたように、お盆休みに、神戸空港と関西国際空港(関空)を結ぶ高速船「ベイシャトル」を使って、泉南方面に1泊二日の輪行旅行に出かけた。
ベイシャトルの詳細については、前回記事にまとめたので、今回はポタ旅行の紀行記事をば。
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<初日:8月15日(金)>
関空から南海電鉄に乗り、二駅目。泉佐野駅に降り立ち、さっそく折りたたみ自転車カラクルを輪行解除。

ちょい走り、ランチにカレーを食べて腹ごしらえ。そして、酷暑日光のもと、泉佐野の町へとペダルをこぎだした。
神戸に住む私からすれば、泉佐野市は大阪湾の向こう側。相当遠方感がある。今回のように、旅行の機会でもないと訪れることはなかったであろう。
泉佐野は大阪からも近い港町で、歴史もあり、GoogleMapで調べると、名所旧跡の類が結構ある。ひとまずそれらをたどって、市内をぐるっと回った。
古い住宅街には、年季の入った板張り塀の家も目立つ。
内陸に向かうと多少アップダウンがあり、丘の上には昭和な大規模団地街が広がっていた。そして、丘を下ると水田や畑がのどかに広がっている。さらに、幹線道沿いなどは近代的に開発されている。町全体が新旧入り混じった雰囲気だ。
さて、そんな町の様子を眺めつつ名所旧跡を訪れたのだが、それらは「大坂夏の陣古戦場」とか、「紀貫之ゆかりの神社跡」とか、単に石碑が立っているだけ。

おそらく古くからの宅地ゆえ、自然と開発・変遷が繰り返され、それら名所も「跡」しか残っていないのだろう。歴史ポタをするには、少々物足りない。
そして、2時間以上炎天下を走っていると、さすがにしんどくなってきた。
早く宿に入って休みたいが、本日予約した爆安ホテルは、チェックインが16時から。まだ2時間ほど時間がある。どうしたもんか・・
博物館のような屋内で涼める施設はないか調べたが・・あいにくと、あまりないようだ。
そんな中、旧市街に、小規模とはいえ歴史博物館があるのを見つけ、そちらに向かった。
その博物館「泉佐野ふるさと町屋館」は江戸時代の醤油蔵元を改装した、小規模なもので家族運営的な施設であった。
見事な金箔ふすま絵が見どころ。その他、江戸~昭和初期の民芸品や生活用具が色々と展示してあった。手作り感満載の博物館であり、館内をご家族のおじいさんが、逐一ガイドしてくれた。
1時間以上滞在したので、良い時間調整にもなった。

その後は臨海エリアの宿に入った。近代的なビジネスホテルで、朝食込み。1人で泊るのだがなぜか部屋はダブルで広びろ。これで6千円台。なんでこんなに安いのか。関空からも近く、インバウンド団体客の姿が目立った。
この日は早めに晩飯。そしてゆっくり体を休めた。明日も炎天下ライドが続くので・・
<二日目:8月16日(土)>
朝6時に起床。シャワーを浴び、さっそく朝食会場に向かう。ビュッフェ形式なので、和食・洋食とりまぜて、たっぷりエネルギー補給。
部屋に戻ったあと、テレビを眺めながら出発準備。朝のTVニュースは「今日の大阪の最高気温37℃」と告げている。ああ、そうですか、今日も暑いっすね~。
そして、8時過ぎにチェックアウトし、ライド開始。もう、朝から暑いぞ。
今日は海岸沿いを、大阪最南端エリア、南海電鉄の最南端駅「多奈川駅」のあたりまで走ろう。往路は内陸、復路は海沿いの道を走るつもり。距離にして40㎞もないが、暑さでへばらないよう補給が重要だ。
まずはやや内陸の国道25号に出て、そこから南下開始。朝から交通量が多いが、側道車道が整備されており、走りやすい。
交差点で側道は本道に合流するが、交差点を通過すると、ふたたび側道が分岐していく。この独特のパターンが延々繰り返される。

しかし、前方に山が見えてきたあたりで、本道は車専用の高架路となってしまった。ただ、側道はそのまま下道となって、山に向かって伸びている。これはもしや、真夏アヂアヂなプチクライムがはじまるのか!?

よっしゃ、来いやーー! と気合を入れて進んでいくと、上空の高架路はそのまま山に突っ込んでいったが、ありゃ!?下道は山地手前で行き止まりに。なんだ、気合を入れて損した・・

仕方なく、海沿いの県道752号へと移行。ホントは往復別々の道を走りたいのだが、しょうがない。
海沿いの幹線道は、はじめ市街地、そしてだんだんビーチエリアの雰囲気へと変わっていった。また、大阪最南端自治体の泉南群に入ってから先は自転車ナビマークが現れ、走りやすくなった。

ナビマークに誘われ快調に走っているうちに、いつしか本来の目的地、南海電鉄多奈川駅を通り過ぎていた。
こりゃいかん、もう少しで和歌山県に突入してしまうところであった。帰りのベイシャトルの時間が決まっているので、漫然と走り続けるわけにはいかない。折り返し地点としてふさわしい、景色の良いところで一休みして引き返そう。
スマホ地図で、付近の「谷川港」が海に向かって開けているので、そこを折り返し地点とするか。
そしてほどなく、谷川港到着。ひと休みできる日陰もなく、写真を撮って、そそくさと来た道を引き返した。

復路は県道752号を北上し、泉南市のあたりで、より海岸沿いの道路に移行。そのあたりは関空と一体的に再整備されているらしく、近代的なウォーターフロントな風景が広がっていた。
大きな橋が2連発で続く。南から「泉南マリンブリッジ」、「田尻スカイブリッジ」というらしい。


特に田尻スカイブリッジには展望コーナーも設けられており、関空への連絡橋が一望出来る。オーシャンビューの景色最高!

その後は、スカイブリッジ付近のカフェでカレーとアイスコーヒーのランチ。そして多少時間があったので、関空との連絡橋の本土側の駅「りんくうタウン駅」に隣接するアウトレットモールを覗いてみた。
一通りくるっと歩いたが、規模は大きいものの、全国どこにでもあるような商業施設で興味を引くものなし。その後さっさと輪行形態に移行し、りんくうタウン駅から電車に乗って関空に移動した。
そして関空からベイシャトルに乗れば、30分で神戸空港の出島に到着。
神戸に住む身からすると、泉南地方はえらく遠方に思えるが、ベイシャトルを使えば、あっという間だ。
また機会があれば、ベイシャトルを利用して輪行旅行に出かけたいな・・そう思いつつ、神戸空港から本土に向かってカラクルを走らせた。
海辺続きの、夏らしい自転車旅行であった。