まったり巡行

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【神戸カレー】嘉兵衛うどん製麺【テラスマ】<食べ日:2023年3月19日(日)>

その朝、私はロードバイクに乗り、須磨多聞線のダラ坂を上っていた。

 

その途中にある「TerrasMa(テラスマ)」というショッピングモールの横を通り過ぎる際、道路側に向かって設置された店舗紹介の看板に「セルフ」「うどん」の文字を見かけた。

 

あれ?テラスマにセルフうどん店なんて、あったんだ。

 

このことを記憶にとどめつつ、ひとまずその場を通り過ぎた。

 

その後、名谷とその周辺を適当に走る。そして、帰途、そのうどん店に立ち寄ることにした。

 

駐輪場に自転車を停めて、お店に向かう。

 

お店の看板を見ると「淡路岩屋 嘉兵衛うどん製麺」とある。

 

ほほう、淡路島系ってか。

 

淡路島で嘉兵衛とくれば、司馬遼太郎菜の花の沖』の主人公として知られる、高田屋嘉兵衛が店名の由来であろうか。

 

以前このブログで取り上げた、伊川谷の「うどん工房淡家」といい、淡路系が今、セルフうどん界で勢力を高めつつあるのだろうか・・

 

そんなことを考えつつ、お店に入ったのが正午ごろ。

 

店内掲示のメニューを眺める。かけうどん+天ぷらの王道でいこうか、それともカレーうどんにしようか、迷っていると「名物」と付記された「肉ぼっかけカレーうどん」が目についた。

 

ぼっかけ」というのは、牛筋とこんにゃくを甘辛く煮詰めた、神戸は長田界隈のソウルフード。カレーにもよく合う。

 

ただ、価格が気になる。

 

並で890円。セルフ店の値段ではないよな。それだけの価値があるということだろうか。

 

まあ、食べればわかる。「肉ぼっかけカレーうどん」を注文。

 

期待していた割には、受け渡しカウンターに出てきたのは、一見、フツーのカレーうどん

 

この時点では、ちょっと肩透かしを感じた。

 

とりあえず支払いを済ませて、セルフコーナーに向かう。すると、定番のネギ、天かすに加えて、わかめまで置いてあるぞ。これはうれしい。すべて、うどんに投入。

 

セルフトッピングは、たっぷりが基本。

 

え、わかめがカレーに合うのかって?

 

これが意外と合うのだ。三宮のカレー専門店の中には「わかめカレー」をメニューに揃えているお店だって存在するくらいだ。

 

席について、さて食べよう。

 

まずは、カレーつゆを一口。

 

うむ、くせのない、おだやかな味。

 

万人向け、期待を裏切らないカレーうどんの味わいだ。

 

うどんは、もっちり系。

 

讃岐系に多いかっちりとしたコシがあるタイプとも、関西系のやわらかうどんとも、ちょい違う印象だ。

 

しっかり煮込まれた、味のしみこんだ牛筋とこんにゃくが、いい味出している。

 

食べ進めるうちに、褐色のつゆの中に、ぼっかけ牛筋肉が、思いのほかたくさん隠れていたことに気がついた。

 

どんぶりの奥底からどんどん出てくるぞ。これは想像以上の肉ボリュームだ。

 

これなら確かに、お値段なりの価値はあるわ~。

 

さらに、食べていくと、ぼっかけ牛筋からうまみがにじみ出て、そこに天かすがまじりあい、カレーつゆはトロトロと各段に美味しくなっていった。

 

お店の名物を謳い、推すだけのことはある一杯であった。

 

また、食べに来よう。