大阪のホテルで一泊。朝を迎え、さて、今日もシェア自転車に乗ろう。
せっかくの機会なので、大阪府内のなじみのないエリアを走ってみようと思い立つ。
名前は知っているが、訪問したことはない町。そんな町々を自転車でつなぐように走ってみよう。
ホテルの最寄り駅は、地下鉄の谷町四丁目。まず、そこから地下鉄谷町線に乗って、南側の終点、八尾南に出た。
ハローサイクリング(以下 ハロサイ)のスマホアプリによれば、八尾南から少し歩いたところにステーションがある模様。
テクテク歩いて、八尾市の出張所と思しき施設に到着。その駐輪場内に、ハロサイステーション発見。昨日に引き続き、電動アシスト自転車をゲット。
施設横の小坂を登ると、そこは大和川の土手で、なんとサイクリングロードになっているではないか。
気持ちよさそうに走るロード乗り多数。地元の定番コースになっている様子。
すこしサイクリングロードを走ったのちに、大和川を渡る。そして、目指すは藤井寺の町。
その町の名は、かつて存在した「近鉄バファローズ」の本拠地、藤井寺球場として、子供のころから知っている。しかし、実際に訪れるのは初めてだ。
古くからの住宅が密集する細い路地をゆるゆる安全運転で徐行。ほどなく近鉄藤井寺駅のあたりに出た。駅前に商店街はあるものの、繁華街という雰囲気ではなく、もろ住宅地だ。
藤井寺球場って、こんな住宅地にあったのか。へぇ~。今の目線から見ると、不思議なロケーションだ。
さて、次に向かうのは大阪狭山市。
かつて私は埼玉県の狭山市に住んでいたことがあるが、その時から大阪狭山市のことは気になっていた。
シンプルな狭山市の名称を埼玉に譲り? 頭に「大阪」を付けている大阪狭山市。
似たような存在として「郡山」vs「大和郡山」があるが、冠無しの郡山市は東北の中核都市であり、相手が悪い。
しかし、埼玉の狭山市は、ぶっちゃけそれほどの強敵とは思えない。なのに、なぜか一歩下がった感のある大阪狭山市。
元埼玉狭山市民として、どうにも気にかかる。一度は見ておきたい町だ。
藤井寺から大阪狭山市までの道程は、せいぜい13㎞程度。しかし、その間は昔ながらの住宅がぎっしり密集、地図上では主要道路として太目に記載されいているルートも、実際に目にすると、細い道に過ぎなかったりする。
道路は入り組み、迷路のよう。方向感覚を破壊する複雑な交差路が連続して現れる。スマホのGoogleMapだけが頼りだ。
ちょくちょく立ち止まり、迷いつつも宅地エリアを無事通過。郊外の田園地帯を経て、南海電鉄沿線の大阪狭山市駅付近に到着。
町なみは藤井寺エリアとは打って変わり、すっきりシンプル。都心から距離をおき、再開発された郊外の小ぶりな町といった風情。ロケーション的にも埼玉の狭山市と似ている。そのせいか、心なしか町の風景も、埼玉の狭山市に似ている気が・・
さて、大阪狭山市には、町はずれに「狭山池」という景勝地があるらしい。せっかくなので寄ってみる。
でっかいため池で、日本最古のダム式ため池ともいわているそうな。最古といっても、半端な歴史ではない。なにせ、古事記や日本書紀にも、その名が登場するという。
へえ~、そんな由緒あるランドマークがあるとはね~。
ならばその歴史の深みを鑑み、こちらを狭山市にして、埼玉のほうを「埼玉狭山市」にしていいんじゃないか・・
そんな、埒もないことを考えつつ、大阪狭山市を後にする。
次に向かうのは、光明池という町。
正直、今日までその町の名は、知らなかった。
ただ、ハロサイのカバーエリアの南端が泉北高速鉄道沿線の光明池駅近辺なので、そこまで走ってみようと思った次第。
ハロサイがわざわざステーションを設けているということは、そのあたりの中心的な町と思われる。また、堺市の南端の町でもあるようだ。そういう意味では、ちょっと気になる。
大阪狭山からのルートは、幹線道続きなので、わかりやすい。
しかも、堺市に入ってからはドでかいニュータウンが広がり、町なみスッキリ。道も広く、走りやすくなる。自転車レーンも現れた。
交通量も多くなく、ロードバイクでのフィットネスライドにはとても良さそうな環境だ。
この時点で正午過ぎ。気温も上がり、のどが渇く。しかしニュータウンの町なみにおいて、コンビニはおろか、自販機さえも、その姿を見るに容易ではない。
ダラ丘の連続アップダウンをこなす。フウフウ。電動アシスト付き自転車とはいえ、結構しんどい、のど渇く~ と思ったところで、自販機発見。やれうれしや。スポドリゲット。
目の前に再びダラ坂が現れた。おそらくこいつを登れば、光明地エリアに達する。
ひと丘越して、坂を下り、光明池の駅前到着。
駅前には大規模商業施設、その周りは巨大な集合住宅、典型的な大規模団地系ニュータウンだ。
堺市の南部は、広大なニュータウンエリアだったのか。この規模感、まるで東京の多摩地方のようだ。
これまで漠然と抱いていた堺市のイメージが、今回の自転車旅行で一変した。
それにしても、「大阪」って、思いのほかでかい。
そして、いろいろな町がある。
大阪市とその近辺だけを知って、大阪全体を理解した気分になっちゃいかんな。
未だ見ぬ大阪の町を、また自転車で走ってみたい・・今回のプチ自転車旅を終えて、そう感じた。
さて、腹も減ったし、カレーでも食べて、帰るか。
(未知の大阪 プチ自転車旅行 了)