瀬戸内海側の明石から、日本海側の舞鶴まで伸びる、国道175号。
本州を貫いて、海から海をつなぐ道。
明石~西神戸のあたりは、子供のころからおなじみの道。
ロードバイクに乗り始めて以降、いつしかこの道を走り切りたいという思いを持つに至った。そしてこの週末、ついに実行に移すことにした。
さて出発当日。
自宅から明石までは近いのだが、未明の国道2号を走るのは危ないと考え、始発電車に乗って明石まで輪行で出向いた。
JR明石駅での輪行解除の際に気づいた。ボトルを忘れていることに。しまった・・。なんだか幸先悪いな。
気を取り直して、まず明石の海側まで出る。そこでスタート記念の写真を撮影。
そして、175号起点近くのコンビニで、900ml入りのポカリを購入。このデカいペットボトルなら、ケージに安定して入る。とりあえず、ドリンク確保。
起点からしばらくは、見知った道路。そこから先も加東市までは走ったことがあるので、心配はない。
順調に加東市を通過。そして西脇市の半ばあたりで一旦コンビニ休憩を入れる。
気温が上がってきたので、上着を透湿レインウェアから、薄手のウインドシェルに変える。
このウインドシェルは蛍光イエローの目立つものだが、これが正解であった。というのも、そこから先は次第に道が細くなってきたから。
175号は神戸方面から、舞鶴・若狭、あるいは鳥取方面への物流の大動脈。当然大型車も頻繁に通る。道の悪いところでは、コンクリ路肩や溝蓋上の走行を強いられる。慎重に走る。
山間を縫う175号だが、意外なほどアップダウンは少ない。慎重走行で神経は使うが、体力の消耗は少ない。
しかし、同じような景色が延々と、延々と続くので、面白みに欠ける。
久々の市街である丹波市に入った時には、ホッとした。
ここまで田舎の一本道をたどってきたが、丹波市街に入り、175号は高架路となってしまった。
郊外へと抜けるところで、ふたたび普通の道に戻った175号に合流。
ただ、依然として、車道は自転車で走りやすい状況ではない。路側帯は引かれているが、その内訳はコンクリ路肩がほとんど。しかもダンプトラックもしばしば通る。
そして、フト横をみると、立派な自転車歩行者道(自歩道)が整備されている。
丹波市の郊外はただっぴろく、地域全体が車社会のようで、自歩道に人影は稀だ。
これは自歩道を走ったほうが良くないか?
そもそも自転車旅行なのだし、しゃにむにゴールを目指すことも無かろう。まわりの景色を眺めつつ、マイペースで走ればええやん。
そう割り切って、自歩道走行主体に切り替える。
自歩道徐行の原則に従って、車道側を走行。とにかく歩行者がいないので、準徐行程度でいいだろう。
安心、安全、フフフ~ン♪ 鼻歌もでる。
それが油断であった。
自歩道が途切れる小さな交差点に差し掛かった。交差点から先は路側帯が伸びている。
そのまま直進すればいいね・・と考えた目の前に、障害物が現れた。
自歩道と車道を分けるコンクリブロック(後で調べたら「歩車道境界ブロック」というらしい)が内側にカーブする形で伸びており、まっすぐ進めないようになっている。
うわ、これ直進できないやん!ブロックにぶつかるぅ~~
そして、私は飛んだ
アスファルトに打ち付けられた。
痛ってェェ~~
とはいえ、痛がってばかりもいられない。とりあえず、自歩道に移動し、座り込む。
ケガの状況を確認すると、かすり傷数点とちょっとした打撲。ただ、一か所目立った切り傷があったので、手持ちのキズテープで対処。
その後、しばし茫然。
スピードを抑えていたので、深刻な状況は至らなかったが、こんなことでケガしてしまうとはなあ・・
私の中で、自歩道徐行安全神話が崩れ去った。
自転車旅において、車道の状況が悪く、自歩道側に逃れるということは頻繁に生じる。
しかしながら、自歩道にも危険が潜んでいるということを痛感。
そんなことを考えながら、道端に座り込み、しばらく丹波の山と空をながめていた。
(つづく)
【まったり自転車】 国道175号完全走破(全3回) <乗り日:2021年11月21日(土)~22日(日)> |
Part1: そして私は丹波で飛んだ ★このページ★ |
Part2: 逡巡の山間路、舞鶴の夕暮れ |
Part3: 完走翌日のオマケ的ライドで良い景色に出会う |