自転車安全利用五則の第一項で謳われる「車道が原則」。
異存はない。
▼ (参考)警視庁「自転車安全利用五則」
www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp
しかし、あくまで「原則」である点は踏まえるべきであろう。
自転車、特にロードバイク関連の書籍やネット記事の場合、車道走行を強く推奨する記事を時折見かける。
中には「歩道走行は邪道」的な書きようであったりすることも。
自分もロードに乗り始めのころは、そういった記事に感化され、かなり頑なに車道を走っていた時期があった。
しかし、ロードに乗り始めて早や5年、今では考えがかなり変わった。
普段から走り慣れている道路ならば、原則に従い車道走行で問題ない。
自分もフィットネスライドで、定番コースを走る場合、基本すべて車道だ。
ただし、ロングライドや自転車旅で、初見の道路を走る場合、この「原則」が全く通用しない場合はよくある。
例えば、古くからの町の場合、道路の幅員がえらく狭い場合が非常に多い(おそらく車などなかった時代の道が、そのまま現代の車道に発展したためであろう)。
そういう道に出くわし、車道が走りにくいと感じた場合、自転車歩行者道(以下 自歩道が)整備されていれば、そちらに乗って徐行したほうが車道の交通を妨げないし、当方も安全だ。
田舎の幹線道においても、自転車で走りづらい場合が意外と多い。
「町から離れているので交通量が少なかろう」と期待して赴くと、走っている車の多さに驚くこともしばしば。
田舎では道そのものが少なく、交通がそこに集中してしまうということであろう。町から町へと荷を運ぶ大型車も、ウナリを上げてゴンゴン走っていたりする。
さらに、道路幅員が狭目なことも珍しくない。
センターラインは黄色で、歩道外側線・路側帯がほとんどない、もしくは路肩の走りにくいコンクリ部分のみ・・というケースが多い・・・というかそれがデフォルトな感がある。
その原因を推察するに、道路敷設のコストであろう。すこし幅員を広げるだけでも様々なコストが膨らむことは想像に難くない。田舎で幅に余裕を持たせた道路を作る意味合いが薄く、最低限の幅の道路になってしまうと思われる。
(この「センターライン黄色、側線ほぼなし」は、田園地帯の道路に限らず、都市部でも橋やトンネルなどに、同様の傾向がみられる。同じく、コスト抑制を意図した結果であろう。)
ただし、そんな場合でも、自歩道が敷設されているケースは、すくなくない。地元の歩行者・自転車用ということであろう。
車道が少しでも走りづらい場合、自歩道があれば、最近では迷わずそちらに乗るようにしている。
そもそもが、自転車安全利用五則の第一項の全文は「車道が原則、左側を通行 歩道は例外、歩行者を優先」。
ルール(歩行者優先・車道寄りの部分を徐行)を守れば、自転車は自歩道を走行しても良いのだ。
ロードで歩道を走るのはカッコ悪いという感覚は、わからないでもないが、安全こそ最優先。
例外もうまく活用していこう。