カツカレーは背徳である。
血糖値を上げやすいといわれるカレーライスの上に、あにはからんや、ザ・揚げ物のトンカツが乗っかっているのだ。
メタボな私にとって、食べるに罪悪感を伴う。
しかるに、いま私の目の前にあるカツカレーには、玉子の黄身までトッピングされている。
血糖値とカロリーの危険なコラボ。
しかし、背徳はおいしい。
とてもおいしい。
このカツカレーを供するカレー専門店「カレーのエース」は、阪急武庫之荘駅と、阪急塚口駅の、ちょうど真ん中くらいに位置する。
カレーを求め、真夏の直射日光にさらされつつ、塚口からトホトホ、歩いてやってきた。
看板メニューがカツカレーであることは、事前に調べて、知ってはいた。
暑い中歩いて疲れた。それなりにカロリーも使ったろう・・今日は自分を許そう・・と己を納得させ、普段は自粛ぎみのカツカレーを注文。
しばし後、やってきたカツカレーは、カツはおろか、その下のごはんさえも、そのほとんどが褐色のルーに埋没している。
真ん中のイエロー、アクセント的なグリンピースを除いて、全体が茶色い一皿だ。
そこに、セルフサービスの、茶色系福神漬けを大量投下。
まずは、真ん中の黄身を傷つけないよう、細心の注意を払いつつ、ルーとごはんで一口。
うん、甘味とスパイシーさが半々に配された印象。
そして、食べ進むうちにスパイスの辛味が勝ってくる。
そして、カツ。
ルーに覆われているのに、揚げ物のキモであるコロモのシャクシャク感、歯ごたえがしっかりと残っている。
そして、ルーの味わいが、実にカツに合うのだ。
ふふふ。ウマいよ。
半分以上食べ進めたところで、いよいよ黄身の玉にスプーンをぷすりと突きさす。
流れ出でるまったり濃厚な黄身が味変に寄与。
とたんにまろやかな味わいに。
いろいろな味の遍歴をたどりつつ、一皿の背徳を楽しんだ。