ロードバイクで走っていると、たまに一瞬キケンを感じるシチュエーションに出くわすことがある。
ヒヤリとする状況、ハッとする局面、いわゆる「ヒヤリハット」だ。
ヒヤリハットとは「危ないことが起こったが、幸い災害には至らなかった事象」を指し、1件の重大事故の背景には多数のヒヤリハットがあると言われる。
ロードに安全に乗り続けるためには、ヒヤリハットの経験は軽視すべからず・・そういう思いから、自らの経験をブログ記事の合間に書き留めておこう思った次第。
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さて、記念すべき(?)「ヒヤリハット・コレクション」不定期連載の第1回目のネタは、先月出かけた姫路往復ライドの最中に経験した事柄だ。
神戸から姫路までの往路を無事こなし、JR姫路駅近辺から、海側の飾磨方面に車輪を進めていた時のこと。
大通りではなく、ちょっと奥に入った県道を南下していた。
上り・下り1車線づつ。センターラインは黄色。大通りでないとはいえ、そこそこの交通量のある道路であった。
当方は車道外側線のあたりを走行。
車の流れは、ややノロノロぎみ。そのため、普通に走っているだけで、車の流れに自然に乗っている感じであった。
走行を続けていると、前方遠くの対向車線上に、右折のウインカーを出して停止している青色の車が目に入った。
どうやら、当方車線側にある店の駐車場に入りたいらしく、そのため、こちらの車線の車列が途切れるのを待っているようであった。
「なんでこんな一車線の道路にとどまって、対向車線を横切って右折しようとするかな~。後ろに続く車も迷惑だろうし、その辺で適当にくるっとまわって反対車線に来れば問題なかろうに・・」私はそう思った。
おそらく、こちらの車線の前方を走るドライバーも同じ印象を抱いているのだろう。誰一人その車の為に止まることなく、故にその青色の車はなかなか動けない模様。
あきらめて一旦その場を離れればよいのに、かたくなに停止を続ける青色の車。その後ろには、待ち車列が長~く伸びてしまっている。
当方前進を続けるうちに、その青色の車の位置に近づいて行った。
私の前の車も特に止まらない。自転車の私だけ止まっても仕方ないので、車の流れに従って、青色の車の前を通り過ぎようとした。
まさにその時、何を思ったか青色の車はいきなりアクセルを踏んで、ダッシュで当方車線を横切ろう試みた。つまり、私に向かって突っ込むそぶりを見せた。
その様子を真横に見た私は「えっ!」と思った。
ただ、それは一瞬のことで、青い車の主は目の前を横切る自転車(私)に気づいたようで、すぐにブレーキに踏みかえた。
そのため、何も起こることはなく、私はその青い車の前を普通に通り過ぎて行った。
思えば、コンマ何秒かの、ヒヤリハット。
後から振り返って思うに、その青色の車の主は、自転車(私)が「見えてはいたが、目に入っていなかった」状態ではないかと思う。
位置関係から言って、先方から私の姿は十分に見えていたはず。しかも、当方はメタリックな赤のロードバイクに、蛍光イエローのウインドシェルといういでたち。目立たないわけがない。
しかし、そんな状況であっても、自分の停止で後方に待ち車列を作っている焦りから、「対向車線の車の途切れで、スバヤク横切らねば」という思いばかりが先走り、対向車線の車の間隔しか認識していない(=自転車が目に入っていない)心理状態に陥っていたと推察。
「車 - 自転車(私) -車」の車列が、「車 - 空間 - 車」に見えてしまったのだろう。
何事もなく幸いであったが、今回の件から教訓を得るとすれば「強引に当方車線を右折で横切ろうとしている車がいたら要注意」といったところであろうか。
加えて、なかなか横切るタイミングがなく、後方に待ち車列を作ってしまっている場合は、特に要警戒だ。
そういう車のドライバーは、そもそも冷静な判断ができていない可能性が高い。さらに焦りからテンパっており、予期せぬ行動に出るかもしれない。
本件では走行中の車線を順行している当方が優先であり、もし事故になった場合、責任は100%先方となろう。しかし、はねられてケガでも負ってしまったら大変。いくら金銭で補償されても割が合わないと考える。
同様の場面に出くわした場合は、安全に一旦停止して様子を見ることにしよう。