昨日、折りたたみ小径車で走っていると、突然、後ろの車からクラクションをならされた。
十分幅員のある一般車道をキープレフトで走っていたが、その車のドライバーはなにか当方を邪魔だと感じたのだろうか。
理由はよくわからぬが、たまにこういうことはある。
想像するに「自転車は歩道を走るもの」と思い込んでいるドライバーにとっては、車道の自転車は邪魔に感じるものなのであろう。
それにしても、警察等が啓蒙する「自転車安全利用五則」の第一項目、「車道が原則」は、世の中にどの程度浸透しているものだろうか。
ちなみに、ある損保会社が自転車利用者に対して行った「自転車で車道の左側を通行しなけれいけませんが、このことを知っていますか?」というアンケートでは
(1)知っている 63.3%
(2)なんとなく知っている 30.4%
(3)知らない 6.3%
という調査結果が出ている。
(2)のなんとなくレベルを合わせて、約9割といったところだ。
では、車のドライバーには、本件はどの程度膾炙しているのだろうか。
車のドライバーに対する同様のアンケート調査がないかネット検索してみたが、見当たらなかった。
ただ、思うに、上記の自転車利用者のアンケート結果と大差ないのではななかろうか。
近年では、運転免許の更新時に「自転車は車道が原則」の周知が行われることが多い(自分も前回更新時そうだった)。しかし、それでも100%のドライバーが明確に記憶にとどめることは難しかろう。
おぼろげに記憶程度の層をふくめて、実効9割に届けば上出来だろう。
仮に、9割のドライバーが「自転車は車道が原則」を認知しているとした場合、逆に言えば10人に1人は知らないということだ。
自転車で幹線道を走っていれば、数えきれないほどの車に抜かれる。
確率的に考えれば、その1割のドライバーが「自転車、邪魔だな~」と考えているものと推察できる。
相当な数だ。
これを考えると、自転車乗りに対する背後からのクラクションは、残念ながら、当面なくなることはないであろう。
では、そのクラクションに対してどう対応するか。
私が自転車を趣味とするきっかけとなった本に、その答えが記されている。
少々長いが、その箇所を抜粋してみよう。
『自転車で車道を走っている際、追い抜きざまに露骨に幅寄せするクルマや、後方からクラクションを鳴らすドライバーは少なからず存在する。僕はそのようなときも腹を立てないようにしている。
自転車仲間の中には、そんな輩を追いかけ、信号で停まった時点で口論を仕掛けるような者もいる。でも、それで何か解決するのだろうか?おそらく嫌な気分で一日を過ごしたり、今の時代、相手が悪ければ、刃物などでケガをさせられる可能性もある。
その瞬間は不快でも、少し走ればすぐに忘れるわけで、不要な喧嘩は避けよう。
もちろん接触があった場合は、即座にクルマをとめて警察を呼ぶこと。』
おそらく「自転車は車道が原則」を知っているドライバーは、クラクションなど鳴らさないであろう(知ってて鳴らす輩は、そもそもが悪質なので論外)。
「ルールを知らない人に怒っても、仕方あるまい」くらいに考え、クラクションを気にしないのが一つの正解であろう。
▼ 2015年発行の書籍なので、内容的に時代にそぐわなくなっている部分もある。
▼ 2022年発行の改訂再発版がこちら