新幹線輪行での、一泊二日の自転車旅行。
初日には浜名湖を一周。二日目は県境の峠を越えて愛知に入り、昼過ぎに豊橋の町にたどり着いた。
あとは新幹線に乗り帰途に就くだけ。
おっと、その前に昼飯を食べよう。当地のカレー専門店で食べたいところ。
そこで、スマホを取り出し、GoogleMapで「カレー」と検索。豊橋は大きな町なので、多数ヒットする。
しかし、詳細をよく見ると、そのほとんどがいわゆるインネパ(インド・ネパール)系のカレー店だ。
もちろんインネパ系のカレーも好きなのだが、料理内容が概ねパターン化している。そのため、ハズレがない反面、お店ごとの個性がそれほど強く出ないように思える。
むしろ、日本式?のカレーライスを出すお店の中に、印象に残るお店が見つかったりする。
旅の思い出になるような、ユニークなカレーライスはないかな~~と思い、
GoogleMap上をつらつら調べると、気になるお店が一つだけ見つかった。
店名はたった一文字。丸の中にCと書く。それで「マルシー」と読むらしい。名前からして、いかにも個性強めな雰囲気が漂っている。よし、このお店のカレーで旅を締めくくろう。
お店を目指し、豊橋の中心街からやや西に外れたあたりに向かう。しかし周囲は民家と、小規模な町工場等が混在するようなエリア。本当にこの場所に、カレー店があるのだろうか。いぶかしみつつ、地図を頼りにお店へと近づくと・・・あった。
年季の入った、町工場のような建物の外に、黄色い看板がポツリと出ている。
正直、一見客にとっては、入りづらい感もある。でも、入る。
引き戸を開けて中に入ると、そこには、やや殺風景とも思える空間が広がっていた。
床は土間コンクリート。そして、壁に沿う形で、いわゆる「折りたたみ机」が置かれている。脚部が長いタイプの机で、板面が高い。その板面に合わせるように、高さのあるスツールが置かれている。
奥にオープンキッチンがあり、マスターが「ん?なに?」という感じでこちらを見ている。おそらく一見客は相当少ないタイプのお店なのだろう。
人差し指を立て「一名です」と静かに告げ、客である旨を認識してもらう。
キッチンと反対側の壁にホワイトボードがあり、そちらにメニューが記載されている。
その中の筆頭メニュー「やさいだいいちぶたカレー&ライス」を、大盛で注文。おそらくポークカレーなのだろう。
スツールに腰掛けて、カレーの到着を待つ。座って、気持ちが落ち着くと、かなり空腹であることに気づく。そりゃ、朝からずっと自転車で走ってきたからなあ・・。
昨日・今日のライドを思い返しつつ、10分ほど待っただろうか。カレーのお出まし。
そして、ルーはいかにもグツグツ煮込んだ感があり、モコモコ状態。
その間に間にスパイス素材が封じ込められているのが見える。
さて、おもむろにカレーとごはんで一口。
うん、見た目通り、しっかり濃い味。そして、さわやかな酸味を感じる。
スパイシーな風味を感じさせつつ、しかし辛さは比較的マイルド。
赤みがかった、モコモコ系のルーがしっかりごはんに絡んで、うまい。
付け合わせも独特で、ベビーコーンと柴漬け。
カレーと合わせて食べれば、一味違った風味が広がる。
あきらかに欧風系ではなく、アジアンな香りのするカレーライス。
想像以上の個性派店、しっかりと記憶に残る一皿にて、旅の終わりを飾れて、満足。