それは11月末の話。
仕事にて、東大阪方面の商品倉庫に出かけることになった。
朝から電車を乗り継ぎ直行、そして夕方まで倉庫で仕事。
いつもは、夕方が近づくと、帰りのバスの時間が気になり、ソワソワする。
というのも、その倉庫最寄りのバス停はやたら本数が少なく、1本逃したら小一時間待たねばならないから。
これが結構なプレッシャーであった。
なにせ、駅までは歩くと遠い。作業後で疲れた体なら、なおさらだ。
しかし、その日はバスの時間を気にすることなく、仕事することができた。
というのも、倉庫近辺の公園内に、シェア自転車「ハローサイクリング」(以下 ハロサイ)のステーションができていることに最近気付いたため。
大阪近隣では、ハロサイのステーション、知らぬ間にけっこう増えている。
これが意外だ。
「ヘルメット努力義務化」の流れで、シェア自転車はダメージ受けると思っていた。
わざわざヘルメットを持ち歩く人など、あまりいないだろうから。
ところが、そんなことお構いなしに、ハロサイはズンズン進撃。
今も版図を広げつつある。
さてその日、ゆうゆうと仕事を切り上げて、暮れなずむ倉庫街を後にした。
しばし歩き、ハロサイステーションのある小さな公園に到着。
バックパックから折りたたみヘルメットを取り出し、広げて頭にかぶる。
晩秋の陽はつるべ落とし。準備している間にも、あたりは暗さをいや増す。頬に風が冷たい。
そんな夕闇せまる寒さの中、公園の広場では、元気な子供たちがキックベースに興じている。
こちらに飛んでくるボールを返したりしつつ、シェア自転車のロックを解除。
最寄りの鉄道駅に向かってペダルをこぎだす。
駅へと伸びる幹線道の自転車歩行者道は、色で塗り分けて、自転車レーンが設けられている。
レーンの前を走る二人連れの自転車を何気なくみると、おお、彼らもハロサイユーザーか。
ハロサイ、大阪でそれなりに根付いてきているよ。
20分ほど自転車をこいで、駅前のロータリー到着。あたりはすっかり暗くなってしまった。
さて、自転車を返そう。
ハロサイを返却するにはスマホアプリで返したいステーションを選択し、30分以内に返却しなければならない。
スマホを取り出し、駅近の返却可能なステーションを探したところ・・なんだ、近辺のステーションはいずれも「満車」(返却スタンドがすべて埋まっている状態)で選べない。
んあ~。
所用時間が読めなかったので、返す直前に返却予約すれば良いかと軽く考えたのだが・・甘かった。
結局、駅からちょい離れたステーションに自転車を返却。この日のライド?を終えた。
それにしても、仕事でシェア自転車を使ったのは初めて。
この日訪れた倉庫近辺のように、都市部でも交通の便の悪い場所は意外とある。
そういうロケーションだと、シェア自転車、なかなかに便利だ。