六甲山牧場近辺から、オートバイが多くなってきた。
(もちろん、普通のツーリングライダーが多いのだが)やたらにブリブリ音を響かせている連中も目につく。
カーブでは、極端にセンターラインに車体を寄せて、ことさら大仰なハングオン。明らかに速度制限を大幅オーバーしている者も見られる。
見通し悪いカーブが多い山道では危険だし、そんな輩はガシガシ取り締まればいいのに。そう思っていると、目立たぬ位置に待機している白バイがいた。頼むぞ~。
前回のゴールである記念碑台を過ぎると、いったん下りに。
もう山頂エリアだし、ここからキツイ登りはないのかな~、と安心していた。
甘かった。
しばらくすると、再び登りが始まった。マジかよ~。
一旦安心しただけに、心理的なダメージも大きい。だんだんとペダルが重くなってくる。
かろうじてクランクを回している状態で、ほてほて登る。
六甲山を走っていると、対向車線のロードと一言挨拶をかわすことが多いが、このときにすれ違ったローディは私をみて苦笑いを浮かべ、「お~っす。がんばれよ~」てな感じで、片手を上げて通りすぎていった。
はた目からも、バテバテなのがわかったんだろうね。
しかし、ガーデンテラスを通りすぎたころから細かなアップダウンはあれど、きつい登りはなくなった。
そして、木々の間から見える風景が、まさに絶景!つかれも吹き飛ぶ。
▼ 小さな車避けスペースを見つけて記念撮影。
このあたりの道は、左からも、右からも、視界が開けるたびに素晴らしい景色が望める。しんどい思いして登ってでも、この道にたどりつく価値あるわ~。
景色を楽しんで走るうちに、いつしか道は下り基調となっていた。
やっと楽になれる・・と思ったが、そんなものではなかった。
もう、下る下る。やたらと下る。ひたすら下る。
なんだ、この斜度は。
スキル皆無の私が下りでスピードを出すと、万一の時、取り返しがつかないことになる(そもそも、重力に身を任せると、簡単に制限速度をオーバーしてしまうし。)
「下りはとにかく慎重に。絶対にケガするな」が私の信条。しっかりとブレーキをかけつつ安全+第一で下る。
とはいえ、この斜度。みるみる手が痛くなり、ブラケットポジションでは、ブレーキを握れなくなってきた。
仕方がない、奥の手を出そう。
手を下ハンドル付近に持ち替える。こうすれば、テコの原理でブレーキレバーを強く握れるメリットがある。
しかし、このポジションを取ると、どうしても体勢がクラウチングになってしまう。
空気抵抗を減らしたダウンヒルポジションとりつつも、ゆるゆる下る。
あーカッコわる(これ、やりたくなかった)。
それにしても、だ。
山頂エリアでは逆側からきた多くのローディとすれ違ったが、みんなこんな坂を登ってきたの? マジで??
長くて急な下りを終えて、ようやく市街にたどり着く。
道が宝塚と西宮の両方面に分かれている。元々は宝塚まで行くつもりだったが、足に加えて、腕もクタクタ。疲れたので、帰りが楽な西宮方面へ進路を取る。
町に入ってホッとしたのもつかの間。市街エリアに到達しても、まだまだ下りは終わらない。どこまで下るねん。そして、交通量も一気に増えるので、神経を使う。
▼ そして、夙川学園前という交差点に出てきた。ようやく平地だ。
とりあえず、これにて念願の六甲山越え、完走だ。お疲れ~!
この後は、海岸近くまで走り、ブックオフで買い物して、遅い昼ごはん(煮込み肉うどん)。エネルギーを使い果たしたので、やたらとウマいわ。
この後はおなじみの国道2号に出て、重たい足を回して、ゆるゆると神戸に帰ってきた。
帰途、都会の幹線道を走りつつも、フト回想するのは、西宮・宝塚側の、あの坂の情景。
あれ、登れるか?
一つ課題をクリアしたら、新たな敵が現れた。
(六甲山ふたたび。山越え神戸→西宮ライド 了)