まったり巡行

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【神戸カレー】CURRY 味善 <食べ日:2021年12月26日(日)> 【花隈】

年末を目前に控えた、日曜日の昼下がり。

 

私は、三宮から元町方面へと、カレーを求めて歩いていた。

 

なにせ、今から昼飯として食べる一皿が、今年を締めくくるカレーになるだろう。

 

当ブログの「神戸カレー」シリーズにおいて、本年ラストを飾るにふさわしいカレー店はいずこにありや。

 

忘れえぬインパクトを与える店舗

 

あるいは、これぞ神戸カレーといえるような一皿

 

そんなカレーに出会いたいものだ・・

 

そんなことを考えつつ、JR元町駅のあたりから、山の手方へと歩を進める。

 

あまりなじみのないエリアだが、スマホ地図によれば、こちら方面にもいくつかカレー店があるようだ。

 

ブラブラと坂を上り下りしているうちに、花隈城跡のあたりに出てきた。

 

城跡の石垣を右手に見ながら坂を下る途中、そのカレー店に遭遇した。

 

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この店構えで、カレー店!? 老舗のお蕎麦屋さんとか、割烹じゃないの??
これだけでインパクト十分だ。

 

はじめはカレー店と思えなかったが、小さな看板にはしっかり「curry 味善 mizen」と書かれている。

 

でも、このクラシカル感満点の風格からして、お高いんじゃないの?

 

そう思って扉横のメニューを見ると、筆頭に「スペシャルサラダと特製ビーフカレー」1,780円とある。

 

ふほ。なかなかのお値段。

 

その次のメニューは「ミニサラダとセレクトカレー」1,080円か(地鶏手羽先か、ポークヒレを選べる)。

 

迷ったが、今回は分相応に後者のセレクトカレーを選ぶことにした。

 

さて、引き戸を開けると、そこには店内空間いっぱいに広がる木製の円形テーブル(正確には向かい合わせの半円形のテーブル二つ)。その中央には枯れ林をモチーフとした生け花(?)が配されている。

 

テーブル上には緋色のランチョンマット。折りたたまれた紙ナプキン。そしてスプーン、フォーク、ナイフが、ダックスフントをイメージしたかわいいレストに置かれている。

 

わびさびと、華やかさが同居した、こだわりを感じるコーディネートだ。

 

セレクトカレーのポークヒレを注文し、待つ間、テーブル上に置かれていた「神戸と洋食」という本をパラパラ。お店が取り上げられているのかな?

 

やはり、お店に関する記事あり。目を引いたのが「クミンなどのインド系香辛料は使わない」という意味の一文。これはちょっと気になる。

 

そうするうちに「サラダを先にお召し上がりください」と、前菜のようにサラダが出てきた。

 

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おしゃれな色合い。ミニサラダというには、ボリューム感もある。

サラダを食べ終えたころにカレーが出てきた。おっ、カレーポット入りだぞ。

 

しかし、ルーはあらかじめごはんにかけてある。不思議に思っていると「同じカレーソースです」とのこと。足りなかったらかける、ということのようだ。

 

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具がゴツゴツ。ソテー料理の上にソースがかけられている感じ。

 

付け合わせとして供されたラッキョウ福神漬けを脇に配して、カレーとごはんを一口。

 

あっさり系でやさしい味わい。

 

スパイシーさはほとんど感じない。

 

その代わりに、しっかりと煮込まれたうまみが特徴。

 

しっかり下味のついたポークがルーの下に幾つも並んでいる。

 

さらに、しめじ、そしてズッキーニも!

 

このカレーは「欧風カレー」ではない。洋食そのものといえる。

 

先ほど覗いた本によると、このお店のルーツは、神戸の老舗洋食店だそうな。

 

明治時代より、ヨーロッパ航路の起点として発展した港町、神戸。

 

そこから花開いた欧州文化を独自に引き継ぐ、洋食スタイルのカレーといえるかもしれない。

 

今年の「神戸カレー」記事を締めくくるにふさわしいお店に出会えて、満足。