用事がありJR兵庫駅方面へ、折りたたみ小径車で向かった。
それにしても、めっきり寒くなった。風にさらされる顔面が冷たく感じる。
異例の夏の酷暑を引きずり、延々暑かった今年の秋。つい2週間ほど前まで、夏用ジャージでロードに乗っていたというのに・・・
こうも急激に気温が転変すると、体調を崩しそうだ。
こういう時こそ、カレーで体に喝を入れねば。
というわけで、用事を終えた後、スマホを取り出し、GoogleMapで兵庫駅近隣のカレーを検索。
すると、駅からやや離れた場所の洋食店に、カレーがあることが判明。さっそくそちらに向かって小径車のペダルを踏む。
兵庫駅から北東に向かって斜めに伸びる街道から、ちょい逸れた場所に、その洋食店はあった。
看板には「塚本 マルヤ」とある。
ただ、「洋食」や「食堂」的な表示がなく、パッと見、なんの店舗か(そもそも店舗なのか)全くわからない。
メニュー看板やサンプルのショーケースの類もなければ、「営業中」の札も出ていない。
「もしかして休業なのかな?」と思い、窓や入口から中の様子を伺おうとするも、すべて色付きガラスで覆われており、店内を容易に見せてはくれない。
なんだかミステリアスなお店だ。
一見客には入りづらいシチュエーション。しかし、自動ドアに手をかざすと、扉は開いた。そして、中は紛れもなく食堂であり、客も何人か入っていた。
入口から見て、右手にカウンター席、左手には4人掛けのテーブルが3つほど。その奥正面にレジ台がある。
レジ台の後ろには壁一面のでっかい水槽があり、魚がゆうゆうと泳いでいる。それは「いけす」ではなく、インテリアとしての水槽のようだ。
なんだか、いろいろと不思議な洋食店だ。
カウンター席につき、カレーを注文。600円。安いぞ。
そして、カレーは待つ間もなく、速攻で出てきた。こいつは、話が早い。
まん丸の白皿に。濃い褐色のルー。そして、真っ赤な福神漬け。
いかにも食堂系のカレーなビジュアルがうれしい。
食べてみると、おお、意外と家庭のカレーにある程度近い味わいだ。
カレーは一晩寝かすと美味しくなるというが、その寝かせたカレーを最後にすくった時の味わい。
カレーの「おこげ」成分が混じり、香ばしさと、ほんのり苦み加わる。あの味に近い。
そして、ルーに混じる細かな肉と福神漬けがいいアクセント。
ちょっとした懐かしさを感じつつ、パクパクッと、あっという間に平らげてしまった。
お店に入ってから、出るまで10分もかかっていないかも。
即決・速攻・即食のカレーであった。
神戸近辺には「マルヤ」の看板を掲げる洋食店がいくつかあり、おそらくこのお店もマルヤの暖簾分けなのだろう。