その土曜日、私は板宿に赴いた。
板宿といえば、神戸市営地下鉄と山陽電鉄、双方の駅があり、ちょっとした交通の要衝だ。
そして、駅から北へとのびるアーケード商店街が板宿の象徴といえる。
小規模ながら、とくに土日は賑わいを見せる元気な商店街だ。
しかし、板宿の町のひろがりは、商店街にとどまらない。
古くからある町なので、駅の南側の裏通りにも、おいしそうなお店がそこかしこに散在している。
今回訪れたカレー店「ひまわり」もそうだ。
事前の調査によれば、カレー専門店ではなく、カレーを目玉とした食堂のようだ。
お店に入ろうとすると「今日はカレーセットのみなんですが・・」女将さんに言われる。
もしかしたら、土曜日はカレーのみという営業スタイルなのかもしれない。
しかし、カレーのみで、なんの異存があろうか。
迷わずカレーセットを注文する。
まず出されたお茶を飲みつつ店内観察。
お店の中は、家庭的なうどん・蕎麦屋さんに近い雰囲気。
奥の厨房で大将が調理している。ご夫婦二人での経営なのだろう。
客層はきっぱりシニア。おばちゃん~おばあちゃんの社交場という色合いを感じる。
そして出てきたカレーがこちら。
サラダ、コーヒー付き。
付け合わせはらっきょう。
さらに、デザートとして、アルファベットチョコレート2ケが華を添える。
さきほどのお茶とは別に、グラスでお冷も供された。
この内容で、なんと500円!素晴らしいコスパだ。
さて、カレーは「お母さんの味」としか言いようのない、家庭カレーだ。
黄色いルー。
そこから顔をのぞかせる大きな野菜。
しっかり煮込まれ、スプーンでほろっと崩れる大きなジャガイモ、いいね~。
辛さ、スパイシーとは対局にある甘口カレー。
食べてほっこり。
癒しのカレーであった。