明石から国道175号を北に進んでいくと、神戸市から三木市に抜けるあたりで175号は一旦二股に分かれる。
二つに分かれた道路はちょい進むと、再び合流する。
つまり、川でいえば中州のような土地があり、それが175号を二手に引き裂いている。
その特徴的な「中州」のはしっこ、175号に切り込む南端に、このお店はある。
名前を「きりん食堂」という。
ロードバイクで175号を北上し、「中州」に差し掛かるたびに、このお店のことが気になっていた。
まず、名前が気になる。なぜ、きりん?
さらに、店先には、でっかいきりんのオブジェが設けられ、あたりを睥睨している。
かなり個性強めだ。
加えて、きりんの足元あたりには「カレー」と大書きされたパネルが設置されている。
こうなると、カレー好きの私の興味をひかずにはおかない。
ただ、ロードで175号を走る場合、小野・西脇・果ては舞鶴を目指すロングライドになるため、お店の前を通り過ぎるのはいつも朝方。そのため、気になりつつも、お店を訪なうことはなかった。
さて、2月半ばのこの日。
私用のため休暇を取った私は、車で西神~玉津のあたりを車で移動していた。
用事を終えたのが正午ごろ。
そこでフト「この機会にひと足のばして、きりん食堂おとずれてみっか。カレー食べてみっか」と思いついた。
175号に乗り入れ、例の「中州」にたどり着く。
晩冬の青空の下、今日もきりんはあたりを睥睨している。まるで「中州」の守り神のように。
キリンのたもとは駐車場になっている。3台ほどしか停められたないが、運よく空きがあった。
停車した後、ひとしきり聳え立つきりんのオブジェを間近から眺め、それからお店に。
重厚なドアを開けて店内に入る。すると
ぅぇい!らっっしゃぁい!!
という野太い声が響き渡った。
「きりん食堂」というファンシー感のある店名から、かわいらしい女将さんがやっているのかな?と勝手に事前想像していたのだが、実際にはウシかサイをおもわせるゴツい大将が切り盛りしていた。
さて、席につくと、ランチメニューがおかれている。その筆頭が「神戸牛と淡路のこだわり玉ねぎのコラボ!」とキャッチコピーのついたカレー。ほう、これは期待できそうだ。
ごはんの量は150、200,250gから選べるとあるが、とりあえず真中の200gを選択。
待つことしばし、やってきたのがこちら。
おおっ、ルーが黒い。まさに「黒カレー」。
黒さにややビビりつつ、ごはんとルーを口に運ぶ。
ほほう、いかにもグツグツ煮こまれった深みのある味だ。
ベースは欧風カレーといえる。
一見プレーンカレーだが、そのルーの中には煮込みつくされた玉ねぎの甘味、ビーフのうまみが溶け込んでいる。
特段辛くはない。
その代わり、わずかに薬膳ぽいような、アジアンなスパイスも感じる。
その一癖がうまい。
あっという間に食べ終えてしまった。
ご飯の量、250gにしておくべきだったな~。