駅からそれほど遠いわけではないが、人通りの多いエリアからは離れた幹線道沿い。そんなロケーションで、カレー店に出くわした。
お店の名前は「M's(えむず)」という。
外観は、ちょっと個性強めだ。
折りたたみ小径車で通りがかり、気になったものの、その見た目にやや怯む。
「もしかしたら、エキセントリックで気難し気な大将がやってるお店かも」つい、そう思ってしまった。
ブログの記事にはしていないが、以前旅先で個性強めなカレー店に入ったところ、常連客と一般客であからさまに店側の接し方が異なるという状況に出くわしたことがある。
その時の記憶がよみがえり、警戒心が湧き上がり、なんとなく通り過ぎてしまった。
とはいえ、やっぱり気になる。
見つけたカレーに背を向けてはならぬ。
そう思いなおして、引き返してきた。
道路のフェンスに自転車を地球ロックし、意を決してお店のドアを推す。
すると「いらっしゃいませ~」という明るい女性の声が。
なんだ、心配したようなヘンクツ系のお店では全くなかった。
そこで落ち着いて店内を見ると、なんと、入口のある1階はカウンター3席のみ。カウンター内には店長と店員さんだろうか、女性が二人で切り盛りしているようだ。
ただ、カウンター横には、細くて急な階段があり、どうやら2階にも席があるようだ。
とりあえず、筆頭メニューの「牛すじカレー」を注文。
注文を受けてからある程度作りこむスタイルのようで、カレーが出てくるまで5~10分ほどかかった。
到着したカレーは、平皿に、ルーがタプタプ。
アーモンド形にこんもり盛られたごはんの後ろには、野菜が彩を添えている。
「牛すじカレー」ということで、肉々しく、地味な外観を想像していたが、良い方向に裏切られた。
まず、ルーをスプーンですくい、ルーとごはんで一口。
うん、素直な味わい。
ルーは比較的サラサラ。くせがなく、辛味を抑え、しかし甘すぎず。
そして特筆すべきは牛すじの多さ。
薄くスライスされた牛すじは、プリプリ感を若干のこしつつ、やわらかく煮られ、しっかりとカレーのうま味がしみこんでいる。
しつこさがなく、スプーンが進む。
そして、野菜は、ラッキョウに、薄くスライスされたレンコン、さらにしめじに、きゅうりに、トマト。バラエティー豊かで華やか。
このカレーは野菜に合うね~。
うまい、うまい。
あっという間に、するっと食べてしまえる一皿であった。