先週まで、とある事情のため、毎週末明石方面に出向いていた。
いつも正午過ぎの訪問のため、駅高架下の商業施設「piole AKASHI(ピオレ明石)」内にあるカレースタンド「オリエンタルカレー」での腹ごしらえが常。
「オリエンタルカレー」のことは、以前このブログでも紹介したことがある。
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※当該記事では高級メニュー「神戸ビーフカレー」を取り上げたが、廉価版メニューの「オリエンタルカレー」(プレーンカレー)も十二分においしい。
さて、この日。
いつものように昼飯をオリエンタルカレーで食べるつもりで明石に向かった。
食事の前に、ピオレ内の書店にフト立ち寄る。
その後オリエンタルカレーに足を向けたが、ピオレは鉄道改札により、フロアが寸断されている。そのため、直接オリエンタルカレーには向かえない。そこで、一旦建物から出て、目指す側の棟に向かう。
そして、ふたたび建物内に入ろうとした際、フト、カレーの文字が目の端をかすめた気がした。
むむっ。足が止まる。
周囲を見渡し仔細確認すると、駅そば店が派手なカレー推しバナー(垂れ幕)を店頭に設置していた。
ふ~む、駅そばのカレーねえ・・・
突然、予定になかった選択肢を提示され、しばしその場に立ち尽くす。
美味まちがいないのは、オリエンタルカレーであろう。
しかし、安住ばかりを求め、冒険を避けてよいのか。
そんな人生で、本当に良いのか。
心は迷い、千々に乱れ、ピオレ入口の前で、しばし屹立する。
しばし悩んだのち「先週、先々週もオリエンタルカレーで食べたし、ここは変化を取ろう」、そう思い定め、その駅そば店「麺屋」に足を向けた。
私の中の駅そばのイメージと異なり、店頭の券売機は近代的なタッチパネル方式、交通系ICカードだって使える(後で調べて知ったが「麺や」はJR西日本系の駅そば店らしい。交通系カードが使えるのも当然か)。
推しカレーメニューの一角を占める、カレー丼を選択。食券購入。
そして店内に足を踏み入れ、驚いた。
狭っっっ!
駅そばにありがちな、改札内/外どちら側からでも入店できる方式で、店内に仕切りがある。改札内側は10人ほどの立ち食い客を収容できそうだが、私のいる改札外側は5人も入ればいっぱいだ。
先客の隙間に位置を定め、スペースを確保。食券を厨房内に手渡す。
そして、待つことしばし。やってきたカレー丼がこちら。
駅そばならではのシンプルなカレーうどんが、そのままどんぶりめしになっている感じ。
黄色味の強いカレーソースは、きわめてユルめ。
このユルさこそがカレー丼と、カレーライスの分水嶺と言えよう。
そして、強く漂うダシの香り。
レンゲですくうと、駅そば独特のあの香りが、ほんわりと丼から立ち昇る。
食べてみると、ぶっちゃけ、とびきり美味しいというほどのものではない。
しかし、ユルユルと、それなりにウマい。
この肩のちからが抜けた味わいは、立ち食いのシチュエーションにぴったり。
おかゆにも通ずる、半ば飲み物のような歯ごたえ、のど越し。するすると掻き込む。
丼と併せて供された辛味スパイスを途中で振りかけ味変。
それにしても、駅そば店で立ち食いするなんて、何年ぶりだろう。
高校生ぐらいのときは、よく食べたんだけどな・・
一瞬、ほんのり懐かしさがこみ上げる。
しかし、感慨にふける間もなく、丼は空っぽに。
パッと注文、サクッと食べて、ササっとお店を後にする。
この立ち食いそばの、独特の食事のリズムとスピード感が、やはり少々懐かしく思えた。