トーホーストアが、なくなるらしい。
私が育った西神戸辺境において、スーパーといえば、「コープ(生協なので厳密にはスーパーではないが)」、もしくは「トーホーストア」であった。(※1)
どちらかというとコープのほうがメジャー感があり、トーホーは駅や町の中心部から離れた場所に店舗を構えるケースが多くみられた。
当時、今のような大型スーパーは稀であったが、トーホーの店舗規模は当時の水準で見ても小さかった。
ごくローカルなスーパーゆえ、資金力が弱く、小さな店舗しか出せない。そこで、商店の少ない場所に出店し、周辺の需要を総取りすることを戦略としていたのだろう。
時代がうつろいゆくにつれて、世のスーパーはどんどん大型化していった。しかしトーホーの店舗は、依然小さいままであった。
これではさすがに、客は大型スーパーに流れてしまう。
あるいは、コンビニの増加も、小型スーパーにとっては脅威であったろう。
ハタから見ていても、トーホーの苦戦ぶりは明らかであった。
そんな中、昨年2022年10月末に、トーホーが、大阪のスーパー「コノミヤ」(※2)に全株式売却するとのニュースが発表された。
そのニュースを見て「ああ、やっぱりトーホー、苦しかったんだ」と思った。
また「今後トーホーブランドは無くなっていくのかな」「コノミヤの看板に変わっていくのかな」とも思った。
しかし、その後しばらくトーホーに動きはなかった。
そして、今年の2023年6月、唐突に、コノミヤへの株式譲渡中止が発表された。
どうなるものかと状況を見守っていたが、つい最近の10月23日、トーホーがスーパー事業から撤退する旨報道があった。
全29店舗のうち、16店舗閉鎖。残りの13店舗は、岐阜拠点のバローHDの子会社に売却され、一部はドラッグストアに転業される・・とのこと。
ああ、とうとう子供のころから親しんできたトーホーの看板がなくなるんだな。
思えば、最近まで私は、意外とトーホーを利用してきた。
ロードバイクで明石・西神戸方面を走った後、帰宅前にJR鷹取駅の近くにあるトーホーをよく利用した。
自宅近くに大型スーパーもあるのだが、体力を使ったあと、大きな店内で買い物するのは疲れる。また、ライド後の、昼飯その他のちょっとした買い物なので、小さなスーパーで十分であった。
また、西神中央の実家近くにもトーホーがあり、そちらにロードで向かった場合に、買い物をすることもあった。夏場は店外の自販機で飲み物を買い、トーホーを眺めながら一息ついたっけ。
先月初旬、西神戸方面のライドから帰ってきたとき、いつものように鷹取のトーホーに寄ると、すでに店舗は閉鎖されていた。
ああ、とうとう近隣のトーホーの灯が消えたか。
今後、来年2024年の11月をめどに、現在営業中の店舗も順次閉鎖されていくらしい。
さみしいな~。
もし、ライド中に営業中のトーホーを見つけたら、なるべく立ち寄るようにしようかな。
※1 神戸といえば、かつてのスーパー界の雄「ダイエー」ゆかりの地だが、ダイエーは鈴蘭台や板宿などの「都会」にしかなかった。
※2 神戸人には全くなじみのないコノミヤだが、仕事で大阪東部に行くと時折看板を目にする。シンボルマークが往年のヒーロー特撮ドラマ「キカイダー01(ゼロワン)」のロゴにちょっと似てる。