子供のころ親しんだSF映画やアニメ等で、「ワームホール」なる存在を時折目にした。
それは時空の歪みを指し、そこを通れば、遠く離れた宇宙のどこかへ一瞬で移動できる・・というもの。今思えばずいぶんとご都合主義な舞台設定だ。
しかし、自転車に乗っていると、それに似たような感覚に陥る場所が存在する。
隔絶した別々のエリアだと思っていたが、そのルートを通れば、あら不思議。すぐに移動できてしまう、なんてことがある。
そういうルートを見つけた時、いつも思う。「ワームホールを見つけた!」と。
今回見つけたワームホールは、高倉台と多井畑南の、両新興住宅街をつなぐルート
地図で見ると、この二つのエリアは隣り合っている。
しかし、なぜか、その両者を最短距離で結ぶ道路が通っていない。
ただ、こういうケースは神戸では時々見かける。
というのも、神戸は坂の街。地図、つまり俯瞰図で見れば隣り合っているが、実際に訪れると断崖に隔てられているという場合も多い。
この両エリアもそうなのだと勝手に思っていた。そのため、自転車で通りかかる場合は、別ルートの途上としてであった。
しかし、GoogleMapをよくよく見ると、高倉台の奥の片隅、「南所公園」なる公園脇にごく細い道が通じている。
この道はなんだろう。車道ではなさそうだ。自転車なら通れるのかな。
気になるので、この目で確かめることにした。
日曜日の朝、ロードを持ち出し、高倉台に入る。このあたりは戸建てと集合住宅が共存する、丘の上のニュータウン。
その気になる通路は、市街の中心から外れた場所に、ごく地味に存在していた。
やはり車道ではない。自転車歩行者道のようだ。入口には自転車一旦下車を強いる柵がある。見たところ通路はごく短いので、下車して押し歩きで進む。
通路を抜けると、そこは多井畑南の住宅街だ。あれ、ここって、こんなに近かったのか。不思議な感覚。ワームホール、見つけた。
▼ ワームホールのある南所公園
↓↓ まだ続く↓↓
さて、ワームホールの道も確認した。ここからどこに向かおうかな。
スマホを取り出しGoogleMapを見ると、時折立ち寄るホームセンターのカインズ垂水店がほど近い。ちょうど買いたい日用品があるので、カインズ寄っていくか・・そう考えて、ふたたびペダルに脚をかけた。
しかし、そこからの道のりがなかなかのハードモードであった。
カインズの方向を目指し、多井畑南の住宅街の奥に向かうと、景色が急に住宅街から山中へと転変。
そのまま進むと、急に下りの激坂が現れた。これ、結構な斜度だぞ。下るのが怖いくらい。
無事激坂を下り切る。そしてほどなく、見覚えのある街道筋に出た。
しかし、カインズへの最短距離は、その主要道から逸れる枝道だ。そちらに車輪を向けると・・今度は登りかよ。これまた結構な斜度の坂だな~。しょうがないので、登る。
それにしても、さっきの下りと言い、この登りといい、坂の街垂水の面目躍如だ。
ちなみに、垂水の坂の多さとキツさは人気TV番組「秘密のケンミンショー 極(きわみ)」の「神戸の坂特集」でも取り上げられたくらいひどいw
▼ その特集は「秘密のケンミンショー 極」公式YouTubeで見れる
さて、どうにか坂を登り切り、カインズにたどり着く。買い物の後は乗越峠を越えて、垂水をぐるっとまわり帰ってきた。
気になるワームホールは確認できたし、カインズ垂水店への新たなルート開拓ができたし、めでたしめでたし。
ただ、距離的に短い割には、足が疲れるライドであった。