ここ兵庫県においては、去る6月20日に緊急事態宣言が解除されたとはいえ、飲食店に対する規制は継続中。
一連のコロナ禍において、撤退・廃業してしまったカレー店も見られる。寂しい限りだ。
その一方、この異常事態の副産物として、新たなタイプのカレーに出会う機会も生まれている。
例えば今回取り上げるこちらのお店「炭火焼鶏 芙美」。
名前から分かるとおり、カレー専門店ではなく、本業は焼き鳥屋さんだ。
大昔から存在する、JR三ノ宮駅から新聞会館ビルへと伸びる、短い地下通路の飲食街(今ではm.kiticinというこじゃれた名前になっている)。その一角にある。
この地下道を通りがかった際、店頭看板に貼られた「カレー丼」の手書きメニューが目に入り、ふと入ってみた次第。
居酒屋系のお店は、営業時間の時短要請・酒類提供制限の影響が大きく、そのリカバーとしてランチ営業に力を入れているケースが多い。
今回目にしたランチ営業用のアピールが無ければ、たとえメニューにカレーがあったとしても、気付くことなく素通りしていただろう。
新たな形でのカレーとの出会いが生まれている。
そして、出てきたカレー丼がこちら。
小鉢でサラダと付け合わせが色々付いている。
食べてみると、まったり甘口。ふわふわ玉子に合うね。
福神漬けではなく、紅ショウガがそえられているのも、ちょっとしたポイントだ。
ルーはさすがに、カレー専門店のようなオリジナリティある味わいではない。
煮込みあげたカレーソースの深みで勝負するのではなく、お店の既存の得意技と組み合わせる形で、独自のカレーメニューを創出している。そして、これはこれで美味しいのだ。
カレーときゅうりの浅漬け、ほうれん草という組み合わせも、カレー専門店では味わえないだろう。
これまで視界に入っていなかった「専門店以外のカレーメニュー」。
今後食べる機会も増えるのではないかと感じた。