テレワーク主体で働き始めて以降、通勤定期券がなくなった。
そのため、近場へ出かける際には、これまで以上に自転車が活躍。
この週末の土曜日は、用事ついでに、兵庫駅付近を折りたたみ自転車でブラブラ。
それにしても、暑い。午前中から日差しがきつい。梅雨明け宣言に先だって、神戸には夏が到着してしまった。
暑い暑い。つい、水辺の風景が見たくなり、なんとなく海岸方向へ向かう。
その途中、こんなものを見つけた。
なんだこれ?まるでお城の本丸御殿か何かのよう。
工事現場に掲げられていた横断幕を見ると、「県立兵庫津ミュージアム(仮称)」兼「初代県庁館(仮称)」というものらしい。ふーむ。
近年、兵庫区は突如歴史に目覚めた感がある。
たしかに、兵庫といえば、司馬遼太郎『菜の花の沖』で描かれたように古くから栄えた港町だ。
さらにさかのぼれば、大輪田泊と呼ばれ、平清盛が海運拠点として開拓したという来歴を持つ。
しかし、兵庫区はそのプロフィルをうまくアピールしてきたとは言い難い。
近代化の過程において、兵庫区の港湾地帯を占める和田岬は、三菱重工、川崎重工のヘビーインダストリアルコンビが実効支配。
そして、開かれた貿易港・明るい港町のイメージは、お隣の中央区に丸ごと持っていかれてしまった。
これで兵庫区の輝かしい歴史は吹っ飛び、重工業と港湾産業の町というマッチョで無愛想な印象が定着してしまった。
ああ、兵庫区・・
しかし、ここにきて歴史ミュージアムである。
さらに、和田岬をぐるりとめぐる高松線は、自転車レーンが整備された。歴史推しで観光にちからを入れたいという意図が、こんなところからも感じられる。
突如歴史に目覚め、イメチェンに挑む兵庫区。
その成否やいかに。