小雨そぼ降る、土曜日の午後1時。私は高速神戸線の西代駅に降り立った。
さてと。駅を出たところで、パパっと昼飯を食おうかな。
しかし、西代駅は住宅街に位置する、割と地味な地下駅。地上に出ても、駅周りに飲食店は数えるほどしかない。
とりあえずスマホを取り出し、いつものようにGoogleMapで「カレー」を検索。
すると、おや、「天津楼」なる中華のお店にピンが立ったぞ。さらに、ピン横には「ここのドライカレー650円に魅了されています」とのコメントが表示された。
ほうほう。そこまで言うなら、食べておこうじゃないか。
駅の地上出口から、歩いて1~2分でお店に到着。
ガラスのタッチ式自動ドアをくぐり、中に入る。四角いテーブル席が5つほどある。隅っこの席につき、さっそくドライカレー大盛を注文。
それにしても、町中華で食べるのはずいぶん久しぶりだ。
なにせ昼時に外出した時はカレー店ばかり訪れていたからなあ。
とはいえ、だ。
ここ神戸では、中華店の出すカレーをご当地名物として推す声が、巷の一部に存在している。そして、そのことは私も前から知っている。
ただ、これまでブログでカレーの食べレポ記事を書き散らしておきながら、神戸名物(?)「中華カレー」は一度も取り上げてこなかった。
べつに明確な意図があって避けていたわけではない。
ただ、一見客として中華料理店に入り、いきなり中華関係なさげな「カレー」を注文するのは、はばかられる感が無きにしも非ず・・そんな曖昧な遠慮から、なんとなくノーマークになっていた次第。
今日初めての中華カレーだ。
ちなみにメニューには普通のカレーライスもあったが、私をこのお店に導いてくれたGoogleMapの啓示に従い、ドライカレーをチョイスした。
厨房からうっすらと漂ってくるカレー粉が焦げる匂いを感じつつ、待つことしばし。町中華ドライカレーが目の前に到着
テーブルに直置きされたスプーン先端の紙ナプキンをほどく。突き崩して頂戴と言わんばかりの黄身トロ目玉焼きをあえて避けて、まずはごはん部分のみで食べ進める。
ふむ、舌触り、細かく刻まれた具の種類からして、ドライカレーというよりは、カレーチャーハン的な一皿といえる。
中華定番の鶏ガラの風味は、カレーに合うねェ~。
カレー粉をまとったごはんが、中華鍋で強火で炒られて、香ばしい。
それにより、スパイシーさは間違いなく各段にアップしている。
もちろん、一緒にでてきた小鉢の中華スープにもよく合う。
半ばでとうとう玉子の黄身を崩して味変敢行。さらには、併せてチャーシューにも手を付けて、分厚くコクのある味わいに。
大盛とはいえ、パラっとしたチャーハン系の食べごたえなので、あっさりと完食してしまった。
町中華のカレー、なかなかに、侮れぬ・・
そんな思いを抱きつつ、店外に出た私は、雨の西代に消えた。